文章中の算用数字・漢数字の正しい書き分け方、使い分け方【表記ルールも解説】

文章中の算用数字・漢数字の正しい書き分け方、使い分け方【表記ルールも解説】

日本語の文章では算用数字と漢数字の使い分けが重要なポイントで、うまく使い分けることができると文章は読みやすくなります。しかし実際に執筆してみると、どちらを使うべきかとまどうこともあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、数字の書き分けについてのルールと実際の書き分け例を紹介します。

算用数字と漢数字の基本的な3つの表記ルールとは

算用数字と漢数字との使い分け方には、大きく3つのルールがあります。具体例を交えながら順番に見ていきましょう。

縦書きと横書きの違い

日本語の書き方には縦書きと横書きがあります。前者が昔ながらの伝統的な書法であるのに対し、後者は江戸時代後半から明治時代にかけてヨーロッパの影響を受けて使われるようになった書法です。

そのため数字の記載についても、縦書きでは昔から使われてきた漢数字で記述する一方、横書きでは同じくヨーロッパから入ってきた算用数字で記述するというのが大まかなルールになっています。また媒体ごとにも傾向があり、新聞や書籍などの伝統的なメディアでは縦書き、つまり漢数字が主流ですが、インターネット上の文章や履歴書では横書き、すなわち算用数字が主流です。

実際の例として、住所を例に考えてみましょう。履歴書のような横書きの文章では「6丁目8番」や「~マンション507号室」のように算用数字で住所を記載することが一般的ですが、年賀状や封筒を送る場合などのような縦に住所を記載する場合には、「六丁目八番」「~マンション五○七号室」と漢数字を使って書くことになります。なお、一般的にゼロの表記は「零」ではなく「○」とします。

固有名詞や熟語の場合

横書きでは原則として算用数字が使われるとしましたが、だからといって必ずしも算用数字だけを使うわけではありません。

その例外の代表的なものが、数字が含まれている固有名詞や熟語です。日本の地名や人名には数字が含まれていることも多くありますが、それらは常に漢数字で書かれます。「東京都八王子市」、「九州地方」などの地名を「東京都8王子市」、「9州地方」と書くことはありませんし、「三田佳子」を「3田佳子」と書くこともありませんよね。

また、熟語などのようなひとまとまりの言葉の一部分に数字が出てくる場合にも、同じことが言えます。例えば、「百戦錬磨」、「七転八倒」という熟語を書くときに「100戦錬磨」、「7転8倒」とすることはありません。さらに「一気に終わらせる」、「一斉に手を挙げる」というような副詞表現についても、「1気に終わらせる」、「1斉に手を挙げる」という記述はしませんので、注意しましょう。

特殊な表現や併用可能なケース

ここまでは漢数字と算用数字の片方が正解になる場面を取り扱ってきましたが、このほかに、どちらの方法で記述しても意味が通じる用語もあります。例えば、「二大政党制」と「2大政党制」、「日系二世」と「日系2世」などの場合には両方の記述が混在しており、どちらでも意味は同じですし、特に明確な線引きもされていません。

一方、漢字で書いても算用数字で書いても意味は通るものの、それぞれの場合で意味が異なるという事例もあります。このような場合には、大まかなルールとして、数や量を表すために数字を用いる場合には算用数字を使い、それ以外の目的であれば漢数字を使いましょう。従って、迷ったときには「数字の部分を他のものに置き換えても意味が通りそうなら算用数字を利用する」と考えて判断すれば概ね問題はありません。

具体例を見ていきましょう。固有名詞で紹介した「九州」の場合、もしも「9州」と記述した場合には、単に「9つの州」という意味のフレーズになるため、「◯◯党はカリフォルニア州などの9州で過半数を獲得した」という文章ならば算用数字がふさわしいということになります。またこのほかにも、「いちにんまえ」という言葉について、「一人分の量」という意味を表したい場合には「1人前」とし、「人並みの技量がある」という意味を表したい場合には「一人前」とします。

そのため、「彼は一人前の職人だ」とはできますが、「彼は1人前の職人だ」とはできませんし、「お寿司を1人前頼んだ」は自然ですが、「お寿司を一人前頼んだ」は不自然になります。ただしこのルールにも例外があり、数や量を表す場合でも「一つ」「二つ」のような古くからあるものの数え方であれば漢数字で表記する方が自然だとされています。

実際の使用例を確認してみよう

ここまでは、数字の書き方に関する二つの手法について、大まかなルールを紹介しました。ここからは、具体的な場面での使用例をさらにいくつか確認しましょう。

年数の表記

「1968年生まれ」のように西暦で表記するときだけでなく、「平成29年卒業」のような和暦で表記をするときも、履歴書など横方向に書く文章であれば年月日には算用数字を利用します。年月日は数や量を表すものだからです。同じ理由で、電化製品の「5年保証」、賃貸の「4年契約」のように経過年数を表す場合や、「小学6年」「大学4年」のような年次を表す場合にも、算用数字が利用されます。一方、年数に関連した内容であっても、「十年一昔」や「一年中」のような熟語フレーズの場合には漢数字が利用されます。これもすでに紹介した原則通りです。

資格試験の区分

横書きの文章でも、特に履歴書などでは資格や検定試験の級を記載する場合があります。この場合、「級」であれば「英検1級」や「漢検2級」のように算用数字を利用することが一般的です。ただ、資格であっても剣道や柔道、囲碁、将棋などで「段」「級」を使う場合には、「アマ三段」「剣道五段」などのように漢数字が使います。

Excel資料やデータの数字

Excel資料やデータなどの数値を参照、言及するときには、すでに紹介した原則通り、数や量を表すための数字なので算用数字で表記します。ただし、桁数が大きくなると読みにくいため、量を表す数字の場合には3ケタ毎にコンマを入れて区切るやり方もありますが、商品の型番など量を表していない数字に対してコンマ区切りを使うことができません。

また、文章においてケタの大きな数字を記載する場合には、「万」や「億」などの大きなケタの単位を漢数字で表して、「5万円」や「1億2,500万人」のような漢数字と算用数字の混じり表記とすることがありますが、これも厳密なルールではないので、執筆者が読みやすさを考慮して柔軟に対応すべきものです。

算用数字や漢数字を使用する際の注意点

ここまで見てきたように、算用数字と漢数字の使い分けについては、比較的わかりやすいルールがある場合もあれば、必ずしも正解が一つにはならない場合もあります。そして、自分で文章を書くうえでは、適切な使い分けをしつつも統一感を持たせるということが大事になってきます。したがって、どちらか片方が明らかな正解であるときは正しい方を使うのは当たり前ですが、必ずしもどちらかが正解とは言い切れないときは、文章の中での表記を統一することに気を配ってください。両方の記述を混在させてしまうと、読者にとって違和感のある読みにくい文章になってしまうからです。

例えば、ある文章の中で最初に「二大政党制」と書いたら最後まで「二大政党制」で通し、途中で「2大政党制」という書き方をすることは避けなければいけません。同様に、最初に「50,000人」と書いた場合には、途中で一部だけ「5万人」や「50000人」とすることは避けて、最後まで「50,000人」で統一してください。

 

このように算用数字と漢数字の使い分けや表記ルールを紹介してきました。今後、文章を書いていて数字と出会ったときには、この記事に記載されているルールを意識しながら、読みやすさに配慮したわかりやすい文章を書くように工夫してみてください。



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