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ブルーオーシャン戦略とは?そのメリットと差別化の方法を解説

ビジネスの「差別化」を突き詰めることで、競争の激しい市場から離れ、新しい市場を開拓することは重要です。それはブルーオーシャン戦略と呼ばれます。その詳しい定義を確認しておきましょう。具体的な進め方についても解説しています。

ブルーオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略とは、これまでに存在していなかった「新しい市場」を狙うマーケティング手法です。欧州経営大学院のW・チャン・キム教授と、レネ・モボルニュ教授によって提唱されました。

ブルーオーシャンと対になる言葉は「レッドオーシャン」です。多くの競合が参入している市場の様子を、多くのサメが集まって食い合い、血に染まった「赤い海」に例えています。

そして競合他社が不在の新しい市場を、サメがいない青い海に例えたのが「ブルーオーシャン」です。

レッドオーシャンでは、大企業が勝ち残りやすく、中小企業がシェアを獲得するのが難しい傾向があります。一方のブルーオーシャンは、規模の小さな会社でも収益を上げやすいのが特徴。中小企業の生き残り戦略の一つとして注目されています。

「ニッチ戦略」との違い

ブルーオーシャン戦略と混同されやすい「ニッチ戦略」との違いを確認しておきましょう。

ニッチ戦略は「既に存在している市場」をターゲットにするという点で、ブルーオーシャン戦略と異なっています。

「隙間戦略」とも呼ばれるニッチ戦略とは、市場規模が小さくて大企業が扱いにくいような商品やサービスを展開する手法。規模が小さいとはいえ「既に存在している市場」がターゲットです。

「破壊的イノベーション」との違い

ブルーオーシャン戦略と似た意味のある言葉として「破壊的イノベーション」があります。

破壊的イノベーションとは、既存の市場で大きなシェアを獲得している大企業の商品に対して、新たなイノベーションによって対抗していく考え方です。

ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授の著書『イノベーションのジレンマ』の中で提唱されました。

ブルーオーシャン戦略との違いは、大企業によって「レッドオーシャンになっている市場」での戦略であるという点。レッドオーシャン市場に対して、どのように新規参入していくかを考えるための理論が、破壊的イノベーションです。

ブルーオーシャン戦略のメリット・重要性

ブルーオーシャン戦略のメリットについて、詳しく確認しておきましょう。

「バリューイノベーション」につながる

ブルーオーシャン戦略の大きなメリットは「バリューイノベーション」につながるという点です。

バリューイノベーションとは、差別化によって「新たな価値」を生み出し、コストを低く抑えながらも商品やサービスの価値を高めることを意味します。

ブルーオーシャンでは、価格競争のない新たな市場をつくり出すことで、高いコストをかけなくても価値を高めることが可能です。ユーザーが「高いお金を払ってもよい」と思える商品やサービスを、低コストで提供できるというメリットがあります。

「VUCA時代」を勝ち抜くために役立つ

ブルーオーシャン戦略は「VUCA」と呼ばれる今の時代を切り抜けるためにも役立つ戦略です。

VUCAとは、予測困難で変化の激しい時代を指す言葉です。Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の4つの単語から来ています。

新型コロナウイルスのような大規模な変化が起こりやすく「変動性」の大きい世の中です。先行きが見えない「不確実性」、容易に解決策を見いだせない「複雑性」、問題の所在が見えにくい「曖昧性」の時代を切り抜けていく必要があります。

既存の市場だけに固執していると、突然の市場変化によって収益が大きく減少するリスクが高くなります。ブルーオーシャン戦略によって新しい市場を開拓することは、市場の変化に柔軟に対応し、安定した収益を上げる方法の一つとして重要です。

ブルーオーシャン戦略のデメリット・リスク

ブルーオーシャン戦略のデメリットは「模倣されるリスクがある」という点です。

最初は画期的でブルーオーシャンだった市場も、競合他社が参入することで、レッドオーシャンになってしまう可能性があります。

顧客にとって魅力的な価値をもたらすこと、企業にとって盤石な利益を維持すること、従業員や事業パートナーを適切に動機付けること、この3つの整合性を保つことが重要です。

会社を長期的に安定させるには、一つのブルーオーシャンを見つけることで満足せず、新たなブルーオーシャンを探し続ける姿勢も求められます。

フレームワークを活用!ブルーオーシャン戦略の進め方

ブルーオーシャン市場を見つけるために役立つフレームワークを2種類、紹介します。

「戦略キャンバス」を用いる

戦略キャンバスとは、ビジネス戦略を分析し、計画するために用いられるグラフです。ブルーオーシャンを見つけるためにも用いられます。

横軸には、戦略の「競争要因」を並べていきます。競争要因とは、例えば飲食店の場合「価格帯」「メニューの種類の豊富さ」「店内のデザイン性」「持ち帰りのしやすさ」などです。

縦軸は、それぞれの競争要因の「価値の高さ」を示します。例えば「価格帯」が高ければ上の方に、「メニューの種類の豊富さ」の点で弱いなら下の方に点を打つということです。

それぞれの点を結ぶことで、自社の戦略が曲線として視覚化されます。これは「価値曲線」「バリューカーブ」とも呼ばれるグラフです。競合他社の曲線も並べて書き込むことで、自社の取るべき戦略を考えるために役立ちます。

競合他社の持っていない「競争要因」を付け加えたり、競合他社が低い価値しか提供できていない部分を補ったりすることで、ブルーオーシャンを見つけることができます。

「アクション・マトリックス」を用いる

アクション・マトリックスとは「4つのアクション」とも呼ばれる4つの問いを利用して、自社の戦略を練るフレームワークです。

競合他社の戦略キャンバスを作成し、以下の4つの問いを投げかけます。

  • 取り除く:取り除くべき要素は何か?
  • 減らす:減らすべき要素は何か?
  • 増やす:増やすべき要素は何か?
  • 付け加える:付け加えるべき要素は何か?

「取り除く」とは、競争要因の項目から消してしまうことで、「付け加える」とは、他社にはない競争要因を書き加えることを意味します。

「減らす」とは、競争要因の価値を低くして、グラフの点を下に移動させることです。例えば、メニュー数を減らす(メインメニューを際立たせる)ことが挙げられます。

「増やす」は逆に価値を高め、グラフの点を上に移動させることです。例えば、店内のデザイン性を高めることや、持ち帰りメニューを充実させることなどが考えられます。

この4つの問いを利用して戦略キャンバスのグラフを、競合他社とは違ったものに変化させます。そのようにして他社にはない価値を生み出し、ブルーオーシャン市場をつくり出すことができるのです。

ブルーオーシャン戦略の成功事例

ブルーオーシャン戦略で成功した代表的な事例を2つ紹介します。

価格による差別化の代表例「QBハウス」

QBハウスは、日本のキュービーネット株式会社が運営するヘアカット専門のチェーン店です。

パーマやヘアカラーなどのメニューを無くし、「カットのみ」に特化しているのが特徴。「10分で完了」「1,000円」という短時間・格安料金で散髪できるのが魅力のチェーン店です。(2019年2月より1,200円に値上げ)

戦略キャンバスで分析すると、「価格」という競争要因を減らし、「サービスの迅速さ」という競争要因を増やす戦略です。低価格と迅速さを実現するために「ヘアカット以外のメニュー」という競争要因を取り除いている点にも工夫があります。

購入者が組み立てるという発想の転換「IKEA」

スウェーデン発祥の家具メーカー「IKEA」は、それまで常識だったものを「取り除く」ことで成功した事例です。

IKEAでは組み立てる前の、パーツごとに分かれた状態で家具を販売。それは購入者にとって「持ち運びしやすい」「組み立て作業を楽しめる」というメリットとなり、販売者にとっては在庫用の「スペースを削減できる」というメリットを生みます。

今では一般的な販売形式ですが、IKEAはこのシステムの先駆的な存在として知られています。家具業界の常識として存在していた「組み立てられた状態で販売する」という競争要因を取り除き、新たな価値を生み出した事例です。

IKEA

まとめ

ブルーオーシャン戦略は、価格競争に巻き込まれることを回避するために有効なマーケティング手法です。不確かな時代の生き残り戦略としても重要な意味があります。

「戦略キャンバス」や「アクション・マトリックス」などのフレームワークを使いながら差別化を突き詰めることで、競争のない新たな市場を創造していきましょう。

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