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オウンドメディア制作のルールと注意点を解説 成功事例も紹介

2023年8月30日

企業の成長にはWeb戦略が重要です。
今、「オウンドメディア」が注目される主な要因としては、検索エンジンの評価基準が以前とは変わったことや、Web広告費が高いことなどが挙げられます。記事の質で検索順位が大きく左右される現在、コンテンツの内容を重視するオウンドメディアは、時代に合ったメディアだといえるでしょう。

また、広告費をかけずに集客できるという利点もあります。この記事では、そんなオウンドメディアの役割や活用方法、注意点や成功事例についてご紹介します。

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オウンドメディアの役割とは?

オウンドメディアは、広い意味では、企業が所有するメディアのことです。例えば、ホームページやブログ、Twitterアカウント、モバイルサイトなどを指します。さらに狭い意味として、比較的内容をコントロールしやすい自社が管理・運営するWebマガジンやメールマガジン、ブログを指します。オウンドメディアの役割はさまざまですが、主なものとして、企業や商品、ブランドの認知度を高めること、そして新規の顧客獲得が挙げられます。

自社の魅力をより深く伝えるオウンドメディア

オウンドメディアは、広告などのように即効性が強みの媒体ではありませんが、代わりに自社の魅力をより深く伝えるツールとして効果を発揮します。また、即効性が強みではないとはいえ、トレンドリサーチを反映したSEOやSNS対策などを用いることで、集客力を高めてメディアの目的達成を早めることも可能です。

最も重要視されるコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、Web上に、ネットユーザーにとって魅力的でかつ価値あるコンテンツをアップし、注目を集めるマーケティングの手法のことを指します。ブログやWebマガジン、会員専用メールも、コンテンツマーケティングの一部です。

コンテンツマーケティングは、単にマーケティングの手法を指すのではなく、リピーターやファンを作るための一連の流れです。オウンドメディアの運営には、このコンテンツマーケティングが重要です。

ネットユーザーにとって魅力的な内容のコンテンツを用意することで、自社ブランドの認知度向上、顧客との信頼関係形成、販促へとつなげ、ファン層の定着や拡大を目指します。そのためには、ユーザー目線のマーケティングを実施することが求められます。

最強の効果を発揮するトリプルメディア

企業のメディア戦略には、「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」があり、3つあわせて「トリプルメディア」と呼びます。いずれもマーケティングの世界では非常に重要な役割を果たしているメディアです。

「ペイドメディア」は、広告費を支払って利用するメディアを指します。例えば、マス媒体やWeb広告などです。ペイドメディアには、大量のユーザーがコンテンツを閲覧するという強みがあります。広告費を多くかけて上手に運用すれば、情報の認知度を大きく高められるでしょう。ただ、広告予算に余裕がない企業には、最適なメディアとはいえないかもしれません。

「アーンドメディア」は、ユーザー投稿によるブログサービスやSNS、BBSなどのメディアを指します。アーンドメディアの最も大きな特徴は、拡散力です。例えばSNSは、ユーザーの共感を集めて情報が拡散されることで、企業ブランドの認知へとつながるツールになり得ます。

ただし、企業はユーザーのリアクションを操作することはできません。また、活用の仕方を誤れば、いわゆる「炎上事件」を招く可能性もあります。アーンドメディアには、企業の評判を落としてしまうリスクがあることも覚えておきましょう。

「オウンドメディア」の発信対象は、自社の既存顧客と見込み客です。自社媒体を用いて、ペイドメディアやアーンドメディアでは伝えきれないような充実したコンテンツを作ることにより、ユーザーの興味や関心を引く情報の発信が可能です。

この3つのメディアは、独立しながらも、それぞれが補完し合う関係で成り立っています。トリプルメディアを高いレベルで融合させることが、コンテンツマーケティングを成功させる鍵となります。

オウンドメディアを企業が運営するメリット・デメリット

オウンドメディアを運用することで、企業にはさまざまなメリットがもたらされます。しかし、オウンドメディアにはデメリットも存在するため、メディア開設前に知識を深めておく必要があります。

オウンドメディアのメリット

【コントロールがしやすい】

オウンドメディアでは、見込み客に対して求心力のある情報を的確に発信することが可能です。また、自社運営のメディアなので、初期費用やランニングコストはかかるものの、情報発信のためのコストは最低限で済みます。オウンドメディアには、情報や費用などをコントロールしやすいというメリットがあるのです。

【コンテンツの資産化】

広告サイトでは、契約が切れると広告が消去されてしまいますし、SNSは、めまぐるしく更新されていくため、少し前の内容さえも埋もれてしまうことがあります。一方オウンドメディアでは、コンテンツがタイムラインに流されてしまうことがありません。制作したコンテンツは資産として蓄積されていきます。

【顧客との信頼関係の構築】

オウンドメディアコンテンツを充実させることで、顧客の企業への理解度や好感度を高め、信頼関係を構築することが可能です。その結果、自社の商品・サービスを訴求しやすくなります。

オウンドメディアのデメリット

【初期投資やランニングコストなど費用の発生】

オウンドメディアの運営にはWebサイトが必要であり、そのためのサーバー設備が用意されていない場合、その用意に初期投資が発生する可能性があります。またメディアを開設した後も、サーバー維持費やコンテンツを作成する費用などのランニングコストがかかります。こういった費用がかかることを考えて運営を始めないと、期待通りの利益を生みだせないことも考えられます。

【アクセス数を増やす施策の難しさ】

多くのリードユーザーを獲得するためには、自社のWebサイトを少なくとも検索結果の上位2ページ目までには表示させたいところです。しかし、すでにインターネット上には大量の情報があふれているため、ただなんとなくWebサイトを作成し、コンテンツを掲載するだけでは、上位表示を狙うには不十分といえます。上位表示させるためには、キーワードやコンテンツの質、ページ数など、SEOに重要な要素を抑えて対策を立てることが推奨されます。

ただし、SEOの対策は幅広く、場合によっては専門的な知識も必要です。そのため、この分野に精通した担当者がいなければ、新しい人材を採用するほか、育成したり、外部のコンサルタントに依頼したりと、手間やコストがかかる可能性があります。

【集客には時間がかかる】

オウンドメディアは、長期的な視野が必要とされる施策であり、継続的な運用が求められます。ユーザーからの信頼を獲得し、見込み客を育成していくには、相応の時間とコストがかかります。そのため、オウンドメディアには、短期間で効果を出すことが難しいというデメリットがあります。

オウンドメディア制作時に意識すべきこと

オウンドメディアの運用を開始したら、途中で安易に目的を変えないようにしましょう。オウンドメディアの方向性が大きく変われば、既存のコンテンツで大幅な修正が発生するかもしれません。もし、目的の変更が必要な場合、現在の目的と大きくかけ離れないようにすることで、既存のオウンドメディアを活かした新しいコンテンツを制作できます。
上述したように、オウンドメディアの効果が出るまでには中長期的な目線が必要です。そのため、数ヵ月の運用で判断するのではなく、年単位で効果を測定し、ブラッシュアップを重ねていくことが大切です。

また、社会情勢や新たなツールの登場により、ペルソナの状況が変化することも覚えておきましょう。ユーザーのニーズを満たす情報を届けるためには、社会の変化に合わせてペルソナの設定を更新することも重要です。数値のデータだけでなく、口コミなどの情報も参照するようにして、ユーザーにとって有益な情報を届けられるようにしてください。ペルソナをアップデートしたら、集客の方法も再度検討してみましょう。

オウンドメディアに取り組む際に注意すべき点

競合が多い中でオウンドメディアを運営し、確実に顧客を獲得するためには工夫が必要です。以下に、オウンドメディアに取り組むにあたって、注意しなければならない点をまとめてみました。

【注意点1】情報の鮮度を保つ

インターネットの世界は、めまぐるしく変化し、新しい情報が生まれ続けています。古い情報をいつまでも発信しているようでは、サイトを訪れたユーザーを満足させられないどころか、サイトのイメージダウンにつながってしまう可能性すら出てきます。

前項で述べたペルソナのアップデートとともに、オウンドメディアには常に新鮮な情報がアップされていなければなりません。情報の鮮度を保つために、更新頻度に気をつけましょう。

【注意点2】検索キーワードへの意識

どれだけ良質なメディアを作ったとしても、ネットユーザーに見てもらえなければ意味がありません。検索キーワードを意識しながら適切なSEO対策をおこない、検索結果の上位に登場するようになると、訪問ユーザーの増加が期待できます。例えば、タイトルや見出しに検索キーワードを組み込んだり、関連するキーワードを記事内に多く含めたりすることなどが挙げられます。

さらに、ターゲット層のニーズを知るためにも、検索キーワードのリサーチは大事な作業です。「30代女性」「新卒の社会人」など、設定したターゲットがどのようなトレンドに関心を寄せているかを把握し、メディア運用に活かしましょう。

【注意点3】コンテンツの一貫性

オウンドメディアに掲載するコンテンツは、一定のコンセプトに基づいて制作しましょう。例えば、コンセプトと無関係なトレンドワードをコンテンツに多用したとしましょう。この場合、PVは一時的に増えるかもしれませんが、ターゲット層と訪問者が一致せず、結果として売上には結びつかないことも考えられます。

また、メディアを何回も訪れてくれる「ファン」は、書き手や商品というより、メディアそのものに興味を持ってくれているといえます。そのため、メディアが当初のコンセプトを覆すようなコンテンツ制作を続けていると、せっかくのファンが離れてしまう可能性があります。安易に流行へなびいて、ファンを失望させないように気をつけましょう。

オウンドメディアを成功させるために必要な4原則

成功しているオウンドメディアには共通点があります。ここからは、オウンドメディアを成功させるための原則をご紹介します。

第1の原則「質と量の両立」

メディアが注目されるためには、コンテンツの量が重要です。しかし、質の低いコンテンツばかりが増えても、ネットユーザーの印象を悪くするだけになる可能性があります。オウンドメディアは、ただ更新し続けていればいいというわけではなく、顧客目線の、質の高い情報を提示することが大切です。詳細なリサーチに基づいた、新鮮で興味深いコンテンツの制作に力を入れましょう。

第2の原則「事実にプラスアルファをつけること」

数字や事件をただ紹介しているのを読むだけなら、ニュースサイトや専門機関のホームページで事足ります。

ネットユーザーがわざわざオウンドメディアを訪れてくれるのは、「物事をわかりやすく説明してほしい」「メリットやデメリットを知りたい」と考えるからでしょう。また、専門知識がなければわかりにくいデータを、プロフェッショナルが分析、解説してくれるようなサイトもユーザーは評価します。オウンドメディアは情報の羅列にならないよう、データに独自の視点を加えることがポイントです。

第3の原則「コンテンツに特殊な価値を持たせること」

インターネットが浸透している現代では、その気になれば、自力で多くの情報を入手できます。しかし、学術的な資料など、インターネット上では手に入れることが容易ではない専門的な情報もあります。オウンドメディアで「一般人が知りたい、そして知らない情報」を紹介することで、多くの読者を引きつけることを狙います。例えば、「海外の情報」「プロフェッショナルの意見」「その道のエキスパートのコラムやインタビュー」記事などが挙げられます。自社でしか作れないコンテンツとは何か、ユーザーは何を求めているのか、オウンドメディア開設の際は、よく考える必要があります。

第4の原則「制作スタッフの体制を整備すること」

オウンドメディアを積極的に展開したいと考えるのであれば、スタッフの体制を整えておきます。まず、コンテンツの方向性やコンセプトを考えて企画を練るスタッフは、プロジェクトの成功を左右し得るような、重要な役割をもちます。また、コンテンツ制作のディレクションや外部ライターとのやりとり、全体の内容を校正するための、編集スタッフの存在も大切です。そのほかWebデザイナーや、コンテンツの内容によっては取材班もいたほうがよいでしょう。

「オウンドメディア」を運営する企業のコンテンツマーケティング成功事例4選

最後に、オウンドメディアの成功事例をご紹介します。自社メディア運営の参考にしてみてください。

【成功事例1】

ITは、さまざまな企業がオウンドメディアを取り入れている業界です。A社は、「顧客との信頼関係を構築する」ためにオウンドメディアを導入しました。実践的なコラム、インタビュー記事を通して顧客の問題解決に役立つ情報を提供しています。

A社はコンテンツの反響を正確に知るため、単純なアクセス解析だけでなく、SNSへの拡散状況までもチェックしています。SNSからネットユーザーのコメントが読み取れるので、自社のコンテンツがどのように受け入れられているかが明らかになり、次のコンテンツ制作に活かせるという好循環が実現しています。

【成功事例2】

健康・美容業界でも、オウンドメディアが運営されます。B社は、価格以外にも商品・サービスの強みをアピールできる場所としてオウンドメディアを活用しています。自社のメディアに健康・美容に関する貴重な情報を掲載することで、見込み客を増やすことに成功しました。

B社は、自社がどのようなキーワードによりWeb検索されているのかをリサーチし、コンテンツ制作に活かしています。さらに、検索エンジンから訪問したネットユーザーを、自社のECサイトへと誘導する仕組みも確立しています。

【成功事例3】

3つ目の事例は、ECサイトそのものをオウンドメディア化したC社の事例です。日用雑貨、家具といった業種は、顧客がそれぞれにこだわりを強く持っているため、自社のコンセプトだけではなく、顧客のライフスタイルを把握することもビジネスの大切な要素といえます。こだわりをまず肯定したうえで、毎日の暮らしをより良くするための知恵やアドバイスを情報としてアップしています。C社では、ECサイト内にコラムやインタビュー記事を数多く掲載し、顧客に親しみを感じてもらえるようなコンテンツ作りをしているのが特徴です。

【成功事例4】

D社は、自社で働くスタッフにスポットをあて、ターゲット層に親近感を覚えてもらうためにオウンドメディアを活用しています。業種によっては、スタッフの日常をメディアにアップしてもいい反応は得づらいかもしれません。しかし、飲食やアパレルなど、広義での「ものづくり」に関わっている人気スタッフともなれば話は別です。業種別に適した形態を選ぶのも、オウンドメディア運営で気を付けたい点です。

オウンドメディアには、自由度が高く、自社の魅力をより深く伝えやすいというメリットがあります。また、費用を抑えやすいのも大きな利点です。一方で、常にターゲットが求めるコンテンツを示していかなければ求心力を失ってしまう可能性もあります。オウンドメディアを立ち上げるときには、メディアの特性をよく理解して、成功事例などを参照しながら、自社の業種に合ったコンテンツを企画し、ユーザーから信頼を寄せてもらえる充実したコンテンツを制作するようにしましょう。

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オウンドメディアの立ち上げについてのよくある質問

オウンドメディアの立ち上げで特に気をつけるべき点はありますか

設置するURLは一度決めるとあとから変更しにくい部分なので慎重に決めてください。SEOの観点からいうと、メインで運用しているドメインのサブディレクトリに設定することを推奨しています。新規ドメインやサブドメインにすると集客の難易度が少し高くなりますので注意してください。

オウンドメディアの運営チームメンバーをどのように集めればよいでしょうか

社内からマーケティングや文章が得意な方に異動してもらえるのが理想ではありますが、難しいという方も多いかと思います。ライターや編集者を転職サイトやアルバイト募集サイトで採用します。いきなり正社員で採用するのが難しいという方はまずはクラウドソーシングのサイトなどを活用して業務委託で引き受けてくれるフリーランスの方を探すのもひとつの方法です。

コンテンツ制作を内製化するのと、外注するのはどちらがよいですか


状況によって内製化と、外注でどちらがよいかは変わります。また0か1かではなく、部分的に外注を利用する方法もあります。以下に関連した記事をまとめていますので、あわせて参考にしてください。

コンテンツマーケティングは内製と外注のどちらがよいか
オウンドメディア運用代行会社の選び方 外注先との上手な付き合い方は?

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橋本直矢

この記事を書いた人

橋本直矢

メディアディレクター/SEOコンサルタント 雑誌広告、ECなど紙媒体とデジタル双方でリッチコンテンツの制作に10年以上携わりました。出版社の紙媒体からデジタル媒体への移行や、採用系メディア、医療、IT、金融、投資など幅広いメディアのディレクションを担当しています。

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