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現役ライターが語る展示会取材記事の書き方

2019年11月20日

取材記事とは、インタビューをして得る情報や取材する中で感じた雰囲気を、実際に見ていない人にもわかりやすく説明し紹介していく記事のことです。今回は、展示会などを取材し、記事を作成する際のコツや方法を紹介していきます。

取材の準備と方法

事前準備の前に完成イメージをもつ

まずは、取材記事の目的をはっきりさせます。どんな人にどんな内容を伝えたいのか、記事の発行がいつごろになるのか、文字数はどの程度か、アップする画像のイメージはどんなものが良いのか、完成原稿の見本などがあればより明確に取材するイメージをもてます。

完成イメージをもてたら、次に記事内容を考えます。実際に、取材された人が語りかけているような書き方にするのか、第三者がレポートしたように書くのかなど書き方の目線を決めておきます。

円滑なインタビューのためにできること

取材する当日の流れをシミュレーションしておくため、会場のMAPを用意し、実際に取材する順番、回るルートを確認します。数日にまたがる展示会であれば、一日に何件ブースを取材すれば良いか、といった取材スケジュールもたてておきましょう。

次に、各ブースの情報を事前にインプットしておきます。どんな企業なのか、取り扱い商材はなにか、メイン商品、企業イメージをHPなどで確認しておくと、限られた時間の中でスムーズなインタビューを行うことができます。しっかりと事前知識を学んでいることをアピールできれば、相手から信頼を得て、十分な情報を引き出すことができます。 また、質問する内容は事前に複数用意しておきます。一つの質問に対してたくさんのコメントを希望する方もいます。話の焦点がずれないよう、取材の焦点となる質問内容を事前検討しておけば、スムーズに情報を引き出すことができるからです。 事前に得た情報をメモし、それらをもとに各ブースの質問表を用意し、取材する順番に並べておけば円滑なインタビューができます。

当日の持ち物と服装

事前に準備した質問シート、カメラや会場MAPの他に、完成原稿イメージを取材時に見せられるようにしておくのもおすすめです。記事の量や写真イメージを見せることで、取材される側もどのような内容を、どの程度話せばよいか見当がつきやすくなります。

文字数が多い記事にする場合は再度情報の確認が取れるよう、ボイスレコーダーを用意します。 また、当日の身だしなみはきっちりとした印象を与えられる服装を心がけましょう。動きやすい洋服や靴であっても、複数の相手に質問するような展示会でのインタビュー記事では、万人受けするオフィスカジュアルがおすすめです。軽くジャケットを羽織る、髪を少しまとめるなど、落ち着いた印象になるよう意識します。 カメラはフラッシュが無くとも明るくとれるカメラを選ぶか、フラッシュの明るさ調整ができるものを選びます。展示会での撮影はブース間の距離が無く、被写体とあまり距離が取れないことがよくあります。撮影に自信がない場合は専属のカメラマンを手配するのもよいでしょう。

取材の仕方とコツ

タイミングと挨拶

展示会は、企業にとって今後の取引に発展する大事な商談をし、新しい商品を多くの来場者にアピールする場です。そのため、貴重な時間を取材に充てることを快く思わない企業もあります。話しかけるタイミングは非常に重要で、挨拶も簡略で手早くしなければなりません。取材の目的を伝え、完成イメージを見せた後は、写真撮影や、新商品・新企画を記事にして良いかを確認します。

現地で取材NGとならないためにも、事前にアポをとれるようであれば、お願いしておくのが安心です。

話を膨らませる取材のコツ

質問をいくつか用意してきたとしても、一問一答にしないのがポイントです。相手の話によく耳を傾け、答えを受け止め会話をします。「その〇〇は…」「それは〇〇ということですね」「先ほどおっしゃっていた〇〇は」など、相手の話に相槌をうち、会話の中に質問を盛り込むようにしましょう。できるだけ自然な会話の中で話しやすい雰囲気を整えることが重要です。「つぎに…、次の質問は…」といつ終わるのかわからない質問を次々にすることは、回答者にとってストレスになります。

会話の際は、事前に調査した企業内容をふまえて、話の中心を見つけます。今回の展示会における一番のテーマ、一番読者に伝えたい内容が何であるかを見極めます。情報だけでなく、実際その現場だからこそ気づける点や、ブースの雰囲気、来場者の反応なども言葉にしてメモをとっておきましょう。一押しの商品があれば、企画立ち上げの詳細を掘り下げて聞き、実際に触れてみた感想や見た目、味のイメージなどを忘れずに書いておきます。

取材時に気を付けたい注意点

取材記事を書くときに一番気を付けたいのは、ライターの推理や推測を記事にしてしまうというミスです。「自分が話していないことを書いた」と言われてしまう危険性があります。そうならないように、現地ではしっかりと話しを聞き、メモをとり、不足している内容や理解しきれない部分は、再度質問するようにしましょう。聞いて良いのか不安になったり、聞きづらいと思ったりする事があるかもしれませんが、恐れず質問していくことが大事です。

推察した内容に関しても「○○ということですね」「○○だったのではないですか」というように確認を取り、取材対象者からコメントをもらうことを忘れないようにしましょう。 また、ブースの写真を撮影する際にも注意が必要です。記事に合った写真を後から選択し掲載するためにも、各ブースの様子や中心商品のアップ画像、全体の雰囲気を引いて撮るなど、さまざまな視点で写真を撮っておく必要があります。後々トリミングして使用しやすいように、ある程度遠目に写した写真も用意しましょう。都度、画像を確認しながら、撮りのがしがないようによく注意します。

取材記事の作り方

文字起こしと内容整理

取材を終えたら、記憶の新しいうちにメモを見て内容を整理します。ボイスレコーダーを利用していれば、重要な点を文字に起こし、内容を箇条書きにします。

取材記事を作る上で意識しなければいけないのは、会話の内容をそのまま書き起こさないということです。話し言葉を書き言葉に変換する必要があるのか、自然な会話文にするのか、ですます調で書くのか、アウトプットの形式をきちんと決めた上で執筆します。また、専門用語は一般的な用語に書き換えたり、注釈をつけたりして記載します。

伝わりやすい記事構成

一番読者に伝えたい情報、言葉、フレーズを見つけて、読者の記憶に残るような記事構成を考えます。テーマが複数ある場合には、キャッチーな見出しや小見出し、中見出しなど読者が読みたくなるようなフレーズを考えましょう。見出しを作らない文字数の少ない原稿の場合には、核となる内容を決め、よりシンプルな言葉でストレートに伝えられるように工夫します。分かりやすく伝わりやすい言葉選びが大切です。 推理や推測にならないよう気を付けながらも、時には取材内容に補足的な内容を加えます。

話をより深め、記事を大きく膨らませるのであれば、調査した事前情報も加味し、内容を充実させていきましょう。

情報データの裏付けと校正・校閲

インタビューの会話の中で得た情報データは、記事を起こす際に必ず正確な数字であるか確認をとる必要があります。情報の源がどこにあるか、話の裏付けをとるようにしましょう。公式に発表されているデータが見つからない場合は、一度先方に連絡し資料をいただくなど事実確認をとります。

合わせて、企業の正式名称や出典書物が正しいか見直しておきます。 記事を書き終えたら、最後に校正と校閲を行います。誤字脱字を正し、内容や表現の矛盾がないか読み直します。 意図せず事実と異なることを書いていないか最終確認しましょう。 取材記事を書く上で一番重要なことは、事前準備をしっかりとして取材に臨むことです。相手に話しやすい環境を与え、気持ちよく話をしてもらいましょう。取材記事は聞き手の主観や捉え方で大きく印象が変わる柔軟性が高い分野です。書く人の個性がでるので、本当に伝えたい内容が読者に分かりやすくかけているか常に意識し、心にストレートに届く文章を執筆していきましょう。


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ライター:橋本 美緒
医療系インタビュー記事の作成や、展示会、店舗などの取材記事を手掛けるライター。特に数時間に及ぶロングインタビューの取りまとめには定評があり、専門機器メーカーのインタビュー記事や対談の編集も多く手掛ける。

橋本直矢

この記事を書いた人

橋本直矢

メディアディレクター/SEOコンサルタント 雑誌広告、ECなど紙媒体とデジタル双方でリッチコンテンツの制作に10年以上携わりました。出版社の紙媒体からデジタル媒体への移行や、採用系メディア、医療、IT、金融、投資など幅広いメディアのディレクションを担当しています。

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