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コスメ・化粧品・ビューティー業界のマーケティングとは

アパレル業界と比べて、ECサイトの利用率が低かった化粧品業界ですが、コロナ影響を受けて、変わりつつあります。今回は、化粧品業界の現状やデジタルマーケティングについて紹介します。

化粧品業界の現状

経済産業省が2020年7月に発表したデータによると化粧品・医薬品の業界におけるEC市場規模は6,611億円です。うち、EC化率は6%であり、他の産業と比べても高くはありません。化粧品を購入する場合、店頭で実際に試して、専門スタッフのアドバイスを受けつつ安心して化粧品を選びたいというニーズが強いこともあり、これまではECサイトの利用率がなかなか高まりませんでした。

国内大手5社の現状は、以下の通りです。

  • 花王:メイクからスキンケアにつなげるビジネスモデルだったこともあり、競合に比べてメイク比率が高いことから競合他社より新型コロナウイルスの影響を受けました。

  • 資生堂:プレステージファースト戦略を実施し、グローバルブランド「SHISEIDO」や「ベアミネラル」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」のプレステージ領域を優先に強化しています。全世界で、デジタルマーケティングやEコマースを強化し、主要なEコマースプラットフォームとの連携を強化して、店頭の顧客データとの統合など、CRMを進めています。

  • コーセー:社名を冠さない「アウト・オブ・ブランド戦略」を実施しており、新商品で新規顧客を狙うのではなく、ロングセラーの既存ブランドを大切にしています。

  • ポーラ:スキンケアに強みがあり、全国に約5万人のビューティーディレクター(訪問販売員)が在籍しています。2016年よりブランディング戦略を始動しており、厳しい市場環境のもとポーラブランドのより一層の強化を図っています。

  • マンダム:ミドル男性向けの「ルシード」や女性用ヘアメイクの「ルシードエル」が着実に伸長しています。また、アジアに販売網を保有している強みを活かし、訪日観光客が帰国後も購入してもらえる商品流通網を現地グループ会社と連携して構築しています。

BtoCのECサイト・通販

近年の消費者ニーズは、高機能かつ低価格な化粧品です。化粧品の品質はもちろん、インターネットの口コミサイトやSNSの普及により、化粧品に対する消費者の目もより一層厳しくなっています。

プチプラコスメのような低価格商品は、送料負担のあるECサイトで購入した場合、店舗で買うより費用負担が上がってしまうため、ECとの相性が良くありません。しかしながら今後は、店頭販売に注力していた企業でも、ECサイトによる販売は間違いなく強化され、より安全なネット販売へのニーズが増えるでしょう。特に、SNS広告を核としたデジタルマーケティングやインフルエンサーマーケティング、カスタマーレビュー分析をうまく活用した企業が成果を出していくものと思われます。

  • 花王:2018年に初のオンライン専用商品「ブラックプリマ」を販売開始し、化粧品分野のEC強化を進めています。

  • コーセー:全ブランドを統合したECサイト「Maison KOSE(メゾンコーセー)」に変更し、リアルショップ、販売員、オンラインサイト、SNSなどお客さまとのすべての接点を、デジタルを駆使して一元管理しています。また、サイトにはレビュー最適化ツール「ReviCo(レビコ)」を導入しています。

  • ポーラ:公式オンラインサイトの他、AIを活用したパーソナル分析機能やお買い物が可能な「ORBISアプリ」をリリースしています。

  • マンダム:アリババグループが運営する中国向けT mall Globalに旗艦店をオープンし、国内では「HIBInoBI(ヒビノビ)」を開設しています。

化粧品業界のM&A

中国の低単価で高品質な商品力や韓国のブランディング力も油断できませんが、Made in Japanであることは非常に大きなアドバンテージです。日本の化粧品開発技術や品質管理体制は海外から高く評価されており、丁寧できめ細かい技術や品質の高い商品は需要が高まっていくでしょう。その一方、国内メーカーによる製品開発スピードの加速化や、富士フィルム、味の素、サントリー、江崎グリコなど異業種からの新規参入により、国内市場はさらに競争が激化しています。そのため、M&Aを活用してブランドの持つ力を強化したり、事業規模の拡大のために海外進出を図る企業が増加しています。

消費者意識が健康志向や、アンチエイジング、再生医療などに向いていることから、異業種にとっては今後も追い風となるでしょう。

化粧品業界のデジタル化ーDX対応が急務

新型コロナウイルスを契機に各ブランドがデジタル上の顧客体験に注力しており、結果として急速なデジタルフォーメーション(DX)が起こりつつあります。最近はメーカーによる直接的な情報提供や、ブランドマーケティングとしてのライブコマースが増加しています。効果的な商品の使用方法を動画で説明したり、個人の肌の悩みに対するアプリやチャット上での商品提案など、来店者の減少や店舗滞在時間の短縮を補うための取り組みがますます必要とされるでしょう。

  • 花王:2020年10月より、「LINEミニアプリ」とSENSAI・KANEBO・LUNASOLの各ブランドのLINE公式アカウントを連動させた新たなサービスオンラインを開始しました。カウンセリングやチャットボットなど、ブランドごとに独自性のあるコンテンツを充実させています。

参照:花王 | 花王グループ化粧品事業 デジタル活用を加速させ、ブランドとお客さまの絆づくりをさらに強化 (kao.com)

また、D2Cは卸や販売代理店を通さず、自社ECサイトでダイレクトにユーザーに販売できるビジネスモデルです。コミュニティ型CRMの運用が上手く活用されており、利益率の高いD2Cは新型コロナウイルスの影響が少なかったため注目されています。

デジタルマーケティングで「非接触型」購買ニーズに対応

インフルエンサーだけでなく、店舗販売員や美容部員(BA)という従業員によるデジタル上の情報発信、いわゆるEGC活用が注目されています。

中国においては他国よりライブコマース活用が進んでいます。ライブを見ながらEC店舗を見る→オンラインカウンセリングを受ける→即時購入→即日配達という購買体験が実現されています。

  • 資生堂:ビューティーコンサルタント(BC)が化粧品や美容法を紹介するライブ映像を配信し、消費者がリアルタイムでBCとコミュニケーションしながら商品を購入できるライブコマースを行っています。

Amazonは、世界最大の仏化粧品会社ロレアルグループ傘下のモディフェイス(ModiFace)のAI技術とARを活用し、AmazonのモバイルサイトおよびAmazonショッピングアプリに、バーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「バーチャルメイク」を導入しています。

化粧品業界のデータマーケティング

化粧品業界において、大規模企業では、ビッグデータを活用したマーケティング施策が実施されています。CTRからのCVRを考えた場合、蓄積された購買データは閲覧データと比較して100倍以上の価値があるものだからです。化粧品メーカーと消費者のマッチングを深めるために、ユーザーの行動データをDMPに溜め込んだ、消費動向の調査や分析結果をマーケティングに活用するのも良いでしょう。

ソーシャルメディア(SNS)の運用

有名人による SNS の投稿を見て化粧品を購入する消費者が多いため、インフルエンサーマーケティングに注力する企業も増加しています。流行に敏感な10~20代のユーザーが利用するSNSは、商品の魅力をダイレクトに伝え、共感を呼ぶことができるため、ブランドイメージや認知度の向上、コーポレートサイト・ECサイトへの流入が期待できます。

  • 資生堂:「SNSで話題沸騰!2020年上半期に話題になったコスメをピックアップ!」と、Instagram・Twitter上でブレイクした商品を発表して、「私も使ってみたい」という共感を呼んでいます。

  • コーセー:日本と中国での新商品発売タイミングを見越した上で、体験会に来た在日中国人参加者の熱量が高い状態のうちに、日本最大級の在日中国人女性コミュニティー「BoJapan」内でサンプリングキャンペーンを実施しました。各施策を連続的に設計し実施したことで、深いブランド体験の提供に加えて、中国向けマーケティングにおける成果を生み出しました。結果として、中国主要SNS(Weibo・WeChat、小紅書)において、良質なクチコミを発生させることができた良い例です。

化粧品企業のコンテンツマーケティングの取り組み方

コンテンツマーケティングとは、ブランドや商品の「ファン化」するための施策です。

有用な情報を含む価値あるコンテンツを作成し、そのコンテンツにSNSや自然検索から流入させて、コンテンツのファンを作り出して、最終的に購入につなげることが目的です。

Facebook、Twitter、Instagram、You Tubeなど公式ページを立ち上げ、商品のイメージ写真、キャンペーン告知、ノウハウ動画といったコンテンツを精力的に発信していきましょう。

コンテンツマーケティングの圧倒的に優れた点は、無償でスタートできるところです。コンテンツ制作に時間はかかりますが、内製化できれば、余計な費用が発生しません(社員の人件費を除く)。代わりに、顧客にとって価値のあるコンテンツを作成したり、検索順位を向上させるためにSEO対策をする必要があるため、専門性のある対策が必要です。

化粧品コンテンツの注意点

総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると、

「化粧品を購入する際、何を重視して選ぶか」の問いに、「自分の肌に合う」「価格」「効果効能」「購入の利便性」が上位になりました。特に、50歳未満の方の「ネットでの評判」に着目する必要があります。若い世代向けの商品は、ネット上で購入されることを前提とし、ネット上のクチコミや評判にも十分に注意を払う必要があります。

そのため、購入者が評価してくれた内容をホームページ、コンテンツ、SNS上などで活用して確実にアピールしていくことが大切です。その際、文字のみよりも写真や動画のような視覚情報を与えることが重要です。

顧客接点を強化していく化粧品業界

前述のネオマーケティングが実施した調査結果によると、「今まで使用したことがない化粧品を購入する前にテスターを使用することは必要だと思うか」という問いに対して、「必要だと思う」「やや必要だと思う」と回答した方が、年代問わず8割という結果となりました。

化粧品を購入する場合、自分の肌で試す・実際に見ることが購入前の重要プロセスに位置付けられていますが、新型コロナウイルスの影響で店頭にテスターを置くことができなくなった以上、新しく顧客を獲得するためには、試すことができない顧客の不安を取り除く購買体験を提供することが求められています。

参照:コロナで変わった美容意識と支出傾向!withコロナでの美容意識と購買行動に関する調査|株式会社ネオマーケティングのプレスリリース (prtimes.jp)

今後は、顧客体験の充実、DXの推進、ファンマーケティングの実践、OMO戦略などを通じて顧客接点を強化していくことが求められています。デジタルマーケティングを活用し新規顧客獲得のためのアプローチや、既存顧客を囲い込むため、コンテンマーケティングにも取り組みましょう。

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