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マーケティングミックスとは?3種類のフレームワークを徹底解説

マーケティングを知る上で「マーケティングミックス」の意味と重要性を知ることは不可欠です。マーケティングミックスの定義と、基本的なフレームワークについて詳しく解説します。スターバックスコーヒーとパナソニックの事例を交えて、マーケティングミックスの重要性を確認しましょう。

マーケティングミックスとは何か

マーケティング業界で頻繁に用いられる「マーケティングミックス」とはどういう意味なのでしょうか。その意味を詳しく確認しておきましょう。

まずSTP、次にマーケティングミックス

マーケティングミックスとは、「具体的なマーケティング施策の戦略」のことです。

マーケティングでは、まず「STP」と呼ばれる基本計画を決定します。そして、その次に実際的な施策である「マーケティングミックス」を決定するのが基本です。

STPとは、セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)の3つの言葉の頭文字を取ったマーケティング用語。

「セグメンテーション」とは、市場を分析し、いくつかの「セグメント」と呼ばれる共通の特徴を持つグループに分割することです。

「ターゲティング」では、セグメンテーションで分割したグループのうち、どのグループを対象にして商品・サービスを展開するかを決めます。

「ポジショニング」では、ターゲットにしたセグメントにおける自社の「立ち位置」を決定します。同じセグメントを狙っている競合他社などを分析して、自社が参入するにはどのような工夫が必要かを考える段階です。

この3つの段階にそって市場を分析し、計画を立てた後は、具体的な施策として「マーケティングミックス」を決定していきます。

マーケティングに必要な要素を組み合わせた考え方

マーケティングミックスを考える際は、必要な要素を具体化した「フレームワーク」にそって決めていくのが普通です。

特によく知られているフレームワークは「4P分析」でしょう。4P分析とは、製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・プロモーション(Promotion)の4つの頭文字を取った言葉です。

4P分析のフレームワークにそって、どのような「製品」を、どのような「価格」で、どのようなチャネルで「流通」させ、どのような「プロモーション」をするかを具体的に決めていくのです。

マーケティングミックスは、この「4P分析」のことを指す場合もありますが、他にも「7P分析」や「4C分析」などのフレームワークが存在しています。

どのフレームワークを使用するとしても、マーケティング施策に必要な要素を組み合わせた(ミックスした)ものを「マーケティングミックス」と呼ぶのです。

フレームワークについて詳しくは後述の「3つのフレームワークを解説!マーケティングミックスの構成要素」を参照してください。

事業のセグメント・ターゲットごとに設定

マーケティングミックスは、「ターゲットとするセグメント」ごとに変えるのが一般的です。

事業によっては、STPを決める際に、ターゲットとして「複数のセグメント」を設定する場合があります。セグメントが異なると、製品の特性や、価格帯、チャネルなどを変えた方がよい場合が多いでしょう。

例えば多くの自動車メーカーでは、ファミリー向けの車、アウトドア好きの人向けの車、走りにこだわる人向けの車など、対象とするセグメントに応じたさまざまなデザインや性能、価格帯の車をラインナップしています。同じメーカーの車でも、車種が違えばCMのイメージなどのプロモーション内容も違うのが普通。

つまり対象とするセグメントが変われば、マーケティングミックスの内容も、それに合わせて変える必要があるということです。

複数のセグメントに対して、別々のマーケティングミックスを設定する方法を「分化型マーケティング」と呼び、主にリーダー的企業が採用しています。各市場にフィットした商品をきめ細かく投入することで、市場全体を捕捉しようとする戦略です。

一つのセグメントに絞ってマーケティングミックスを設定する方法は「集中マーケティング」と呼びます。下位企業や新規参入企業が採用することが多い戦略です。細分化した市場の一部に絞り込んで特化することで、強みを発揮します。

マーケティングミックスの重要性

マーケティングミックスの考え方や、「4P分析」などのフレームワークは、マーケティングの成功率を高めるために重要です。

フレームワークの各要素に「整合性があるか」「バランスが取れているか」「相乗効果を得られるか」を確認したら、具体的な施策を検討し、「もれなく」実行しましょう。

「なんとなく」や「経験上のカン」などで施策をしていると、自分たちのやりやすい部分や得意なところだけに気持ちが傾いてしまい、施策の「抜け」が発生するかもしれません。

3つのフレームワークを解説!マーケティングミックスの構成要素

マーケティングミックスには、主に3つのフレームワークがあります。それぞれの構成要素について詳しく見ていきましょう。

売り手視点のフレームワーク「4P分析」

4P分析は、アメリカのマーケティング学者エドモンド・ジェローム・マッカーシーによって、1960年に提唱されました。4P分析の各要素は、以下のとおりです。

  • Product(製品):どのような商品・サービスを提供するかを決める
  • Price(価格):コストや相場、ブランド力などを考慮して価格を決める
  • Place(流通):どのチャネルを利用するかを決める
  • Promotion(プロモーション):販売促進の方法を決める

「製品」とは、販売する商品やサービスです。ターゲットに合ったデザインや機能を持つ製品を考案します。

「価格」については、製品を提供するためのコストや市場の相場、ブランド力などが関係しますが、ターゲットの年齢層や年収相場なども関係する場合が多いでしょう。

「流通」では、店頭販売をメインするのか、それともネット通販を中心にするのかなどの「販売チャネル」や、物流ルートをどうするかなどの「配送チャネル」に関する計画を立てます。

「プロモーション」は、販売促進の施策についてです。広告やSNS、Webサイトなどを駆使して、どのように商品の認知度を高め、好感度を高めるかなどの戦略を練ります。

以上4つの要素を検討することが、4P分析です。これは他のフレームワークの基礎となっています。

サービスマーケティングの基本「7P分析」

「7P分析」は、4P分析に3つの新しい要素を加えたもので、「近代マーケティングの父」とも呼ばれるフィリップ・コトラーによって提唱された理論です。

4P分析は、家電や車など形のある商品(有形商材)の販売が主流の時代に考案されたもので、形のないサービス(無形商材)を販売するビジネスに応用するには、新たな要素を加える必要がありました。そこで考案されたのが7P分析です。

7P分析では、新しい要素として以下の3つの「P」が追加されます。

  • People(人):サービスを提供するための人員
  • Process(プロセス):サービスを提供する方法
  • Physical evidence(物的証拠):サービスを保証する証拠

サービス業では、購入者に商品を届ければよいだけではありません。「誰が、どのようにサービスを提供するか」を考える必要があります。そこで必要になるのが「人」と「プロセス」の要素です。サービスを提供するスタッフの質と、サービスの提供方法は、形のある商品における「品質」にあたる重要な要素だといえます。

そして目に見えないものを提供するサービス業では、目に見える「保証」を提供することも重要です。それが「物的証拠」の要素。契約書や証明書などの形で、サービスが間違いなく提供されることを確認できるようにします。書類だけでなく、店舗の雰囲気やWebサイトのデザインコンセプトなど、目に見える部分によってサービスの質を演出することが「物的証拠」の要素です。

ユーザー目線に置き換えた「4C分析」

「4C分析」は、4P分析をユーザー目線に置き換えたものとして、ノースカロライナ大学のロバート・F・ローターボーン教授によって1993年に提唱されました。

4C分析では、4P分析が以下のようにユーザー(顧客)目線に置き換えられます。

  • Product(製品)→ Customer Value(顧客価値)
  • Price(価格)→ Cost(顧客にとっての経費)
  • Place(流通)→ Convenience(顧客利便性)
  • Promotion(プロモーション)→ Communication(コミュニケーション)

基本的な要素は同じですが、「目線」が変わることにより、新たな側面が見えてくるのが4C分析のメリットです。

「製品」については、顧客にとってどんな価値や魅力があるのかという「顧客価値」を考えることで、魅力ある商品やサービスを考案しやすくなります。

「価格」については、企業目線で価格を決めるのではなく、維持管理費を含めて、顧客が負担するコストを全般的に考える「顧客にとっての経費」という考え方が重要です。

「流通」では、企業の都合ではなく顧客にとって、どのような経路が購入しやすいのかという「顧客利便性」を重視して検討します。

「プロモーション」については、企業が顧客に対して一方的にアプローチするのではなく、双方向の「コミュニケーション」ができる仕組みを構築。顧客の方から商品を探しやすくするような仕組みを作ることの重要性が強調されています。

具体例で確認!マーケティングミックスの事例

マーケティングミックスについて深く知るために、お手本となる具体的な事例を2つ紹介します。

国やエリアごとに異なる戦略「スターバックスコーヒー」

スターバックスコーヒーのマーケティングミックスについて、4P分析の各要素は以下のとおりです。

  • Product(製品):高品質なドリンクと、心地の良い「サードプレイス」
  • Price(価格):ラウンジとしての料金設定
  • Place(流通):エリアの雰囲気なども考慮して出店
  • Promotion(プロモーション):あえて派手な広告を出さず、口コミなどを利用

スターバックスコーヒーの商品は美味しいドリンクだけではありません。「サードプレイス」がコンセプトのくつろげる店内そのものが「製品」としての魅力を持っています。

日本では抹茶を使用したメニューにも力を入れるなど、エリアごとに異なる商品を展開し、ターゲットに合わせたマーケティングミックスを設定していることも特徴です。内装も、店舗ごとに異なるコンセプトを設定し、出店エリアに適したくつろげる店内を演出しています。

「価格」については、くつろげるスペースとしての料金を含めた価格設定です。ホテルのラウンジや喫茶店の価格相場と比較して、お手頃な価格帯で利用できるように設定されています。

「流通」については、おしゃれな中心街やショッピングセンターなどに多く出店することで、ブランドのイメージを構築。その結果、「店舗そのものが広告になる」戦略に成功しています。派手な広告を出さず、主に口コミなどによるプロモーション戦略です。

ターゲットを絞って成功「レッツノート」

パナソニックの法人向けパソコン「レッツノート」は、STP分析のお手本として知られています。マーケティングミックスの4P分析の各要素は、以下のとおりです。

  • Product(製品):軽量で電池が長持ち、耐久性の高いパソコン
  • Price(価格):個人向けパソコンの価格競争から離れて設定
  • Place(流通):企業向けにコンファレンスなどを開催
  • Promotion(プロモーション):顧客との関係を構築

レッツノートは「外回りの営業マン」という、限定的なターゲットに対するマーケティングミックスを設定したことで成功した事例です。

「製品」の特長は、持ち運びやすい軽さと、長時間稼働できる電池性能、そして防水性能などの耐久性。外回りの営業マンにとって「欲しい機能」が十分につまった仕様です。

「価格」については、競合の多い個人向けパソコンではないため、激しい価格競争によって利益を削られる状況を回避しています。

「流通」は、企業向けにコンファレンスなどを開催して、ターゲットである法人に対して徹底的にアプローチ。顧客となる企業との密接な関係をつくることで、「プロモーション」の面でも成功しています。

まとめ

マーケティングミックスとは、マーケティング全体の中で、具体的なアクションや施策の部分にあたります。ここでの成功が、全体の売上やビジネスの安定に大きく影響するといえるでしょう。

マーケティングミックスを設定するためのフレームワークを活用して、自社の商品やサービスに最適なマーケティング計画を立てていきましょう。

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