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メディア運営者が知っておくべき著作権とは?違反行為と契約書の重要性を解説

メディアを運営するのであれば、まず著作権についての理解が必要です。実は、著作権契約書の内容によっては、ポートフォリオに記事を公開することも違反とされる場合があり危険行為になるのです。今回は、ライターが知っておくべき著作権と違反行為、契約書の重要性について解説します。

メディア運営者が知っておくべき4つの権利

メディアがWebライターに執筆を委託するするときは、下記の4つの権利を知っておく必要があります。

  • 著作権
  • 肖像権
  • パブリシティ権
  • 著作者人格権

著作権

著作権とは、知的財産権のひとつで、書籍・論文・ブログ記事・映画・音楽・絵画・写真など創作物を保護する権利のことを指します。

Webライターが執筆した記事にはもちろん著作者に著作権が発生します。つまり、メディアを運営するとき、基本的にWebライターの許可なく無断では使用できないのです。

肖像権

肖像権とは、他人に無断で写真や映像で容姿を撮影されたり、公表されたりしないことを主張できる権利のことです。

例えば、InstagramやFacebookなどのSNSに友達の写真を無断で投稿する場合でも、肖像権を侵害してしまう可能性があります。

ただし、偶然通りがかった通行人の後姿や小さく写ってしまった写真を使用する場合は、違反行為に該当しないこともあります。民法709条で下記のように記されています。

”被撮影者(撮られた人)の社会的地位・活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の必要性、撮影の態様等を総合考慮し、自己の肖像を撮影・利用されることによる人格的利益の侵害が社会生活上受忍できる限度内のものであれば、肖像権侵害として不法行為(民709条)とならない”

引用元:民法709条 不法行為による損害賠償

通行人が写真に入っていても、それが誰かわからないような写真は肖像権の侵害に該当しません。

パブリシティ権

パブリシティ権もまた人に備わっている権利で、有名人など顧客の誘引力がある人の名前や容姿を、有名人がコントロールして経済的な価値を保護できる権利のことです。

例えば、本人の許可なく商用目的で勝手に商品に有名人の写真を利用した場合は、違反行為とされます。

また、動物については、動物そのものにはパブリシティ権はなく、名称などの無体物には保護される権利が発生するとされています。

パブリシティ権侵害とされるのは、有名人の顧客誘引力を利用するという目的がある場合に限らず、基本的に有名人の写真を利用すること自体が誘引力を利用するためとされるので、写真等を利用する際は、必ず事前に本人の承諾が必要です。

著作者人格権

著作権は合意があれば他人への譲渡が可能です。一方で、著作者人格権は、他人への譲渡や相続は不可能で、あくまでも作品を作った著作者にあることが定められています。これは、著作権法第59条に定められています。

”著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。”
引用元:著作権法第59条

ただし、会社の業務として作品を作った場合については、会社が著作者であり会社に著作者人格権が帰属します。このことは「職務著作」と呼ばれ、著作者人格権は会社に帰属します。

著作者人格権は、著作者が死亡すると権利は消滅しますが、勝手に使用することは原則として禁止されており、一定の範囲で保護されます。

著作権法違反とみなされると罰則を受ける

著作権や出版権などについて違反行為があった場合は罰則を受けます。どの権利が侵害されたかによって罰則の内容は異なりますが下記のようになります。

  • 著作権・出版権:10年以下の懲役か1000万円以下の罰金
  • 著作者人格権:5年以下の懲役か500万円以下の罰金(個人)

著作者人格権については、法人が違反行為をした場合は、3億円以下の多額の罰金が請求されてしまいます。

商用利用で著作権侵害になるときと対処法

もし、違反行為で多額の罰金を請求されたら大惨事です。そこで、どのようなときに著作権侵害になるのかとその対処法について解説します。

引用文の区別がなく引用元の表示がないとき

引用とは、文章を書くときに、自分のオリジナルの文章の中に他人の文章の一部を入れることです。

著作権法32条1項で、引用は一定の条件を満たせば可能であることが記載されており、正しい方法で引用していれば著作権侵害にはなりません。

正しい引用の方法については、第32条に3つの条件が記載されており、第48条には引用元の表記について記載されています。

”・他人の著作物を引用する必然性があること
・自分の著作物と引用部分がかぎ括弧などで区別されていること
・自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)”

引用元:著作権法第32条

”出所の明示がなされていること”

引用元:著作権法第48条

また、勝手な改変行為は、著作者人格権の侵害に該当します。

他のサイトの文章をコピーしてそのまま使う「コピペ」もNGです。これは、著作権違反に該当するだけでなく、SEO的にもマイナスに作用します。

他人の文章を利用してリライトする場合には、記事の作成者のオリジナルであり、個性が表現されていなければなりません。

引用については、「主」となるのはあくまでもオリジナルの文章で、引用の文章はオリジナルの文中に一部使用するだけの「従」の関係であることが原則です。

引用する場合は、引用部分を「” ”(ダブルクォーテーション)」やかぎ括弧などで明確に囲み区別しなければなりません。

Webサイトの記事の文章から引用する場合は、下記の2つを記載する必要があります。

  • 記事タイトル
  • URL

書籍からの引用であれば、下記の5つとページ数を記載しなければ違反とみなされます。ちなみに、改変はNGです。

  • タイトル
  • 著者名
  • 出版社
  • 出版年
  • 引用箇所

引用と類似したもので転載がありますが、転載は、例えばWebにある記事の文章を雑誌などの別の媒体にもそのまま掲載することを指します。

一方で、引用は自分の書いた文章の中に他人が書いた文章の一部のみを掲載することです。

原則、許可なく転載することはできませんが、国や地方公共団体が作成した資料については、許可なく転載できます。

人物が写っている写真を使うとき

前述で肖像権について解説した通り、無断でSNSに誰かが写っている写真を投稿するだけでも著作権侵害となることがあります。通行人で誰かわからないような写真を掲載する場合は問題にならないこともありますが、万が一を考えて必ず許諾を取るようにしましょう。

また、イラストの著作権の場合は、著作権はイラストを描いたイラストレーターだけでなく、誰かをモデルにしていてそれが誰かわかるものであれば、そのモデルにも肖像権があります。よって、イラストを使用するときは、モデルにも許諾が必要です。

雑誌や書籍の表紙を撮影して写真を使ったとき

雑誌や書籍の表紙を撮影して無断で写真を使用した場合は著作権侵害行為とされます。また、利用規約は出版社によっても異なるので必ず許諾を取りましょう。

動物園などの動物を撮影して写真を使ったとき

動物については、前述でお伝えした通り、基本的に肖像権は発生しません。ただし、動物園や水族館などの施設の動物の写真を使用する場合は施設に事前に許可を得てから撮影しましょう。なぜなら、施設ごとにルールがあるからです。

キャラクターや絵画を撮影して写真を使ったとき

キャラクターや絵画などをメインに撮影したり、背景でも大きく写っていたりすると著作権侵害となってしまうことがあります。ただし、キャラクターなどが背景に小さく写っている写真の使用は、著作権法30条の2「付随対象著作物の利用」に著作権侵害にはならないことが記載されています。キャラクターや絵画だけではなく、看板などにも著作権は発生している場合があるので、撮影するときは背景に注意が必要です。

フリー素材で使用用途に制限があるとき

著作権フリーの画像などを使用する場合にも注意が必要です。なぜなら、フリー素材であっても個人利用に限られている場合や利用用途が制限されている場合があるからです。例えば、利用用途の制限には「アダルトや消費者金融での使用は禁止」とされているものがあります。フリー素材を使うときは、事前に利用規約をよく読んでから利用しましょう。

Webサイトの画面をスクリーンショットでキャプチャして使用したとき

Webサイトの画面をスクリーンショットでキャプチャして使用するときも許諾や出典の記載がなければ、下記の2つの権利の侵害とされる可能性があります。

  • 複製権(著作権法21条)
  • 公衆送信権侵害(著作権法23条)

Webサイトの運営者に必ず許諾を得てから使用するよう注意しましょう。

執筆した記事をポートフォリオで公開するとき

Webライターが企業に著作権が帰属することに合意している場合は、ポートフォリオに許可なく公開すると著作権侵害になります。

著作権譲渡ではなく、契約が利用許諾のみの場合には、著作権はWebライターにあるのでポートフォリオに自分の作品として公開できます。仕事を始める前に著作権が誰にあるか契約書を必ず確認しましょう。

著作権違反を回避する方法

著作権違反にならないためには、これまで解説したことに注意するのはもちろん、メディア運営者は記事の著作権がWebライターにあるのか、それともメディア側にあるのかにも注意しなければなりません。

著作権譲渡の有無を契約書に記載する

メディアを運営する企業がライターに執筆を依頼するときに事前にやるべきことがあります。それは、著作権譲渡の有無を契約書に記載することです。

Webライターが執筆した記事ができた時点で著作物とされ、著作権はWebライター本人に発生します。

しかし、企業側に著作権を移行したい場合、「著作権は当社に帰属します」など、契約書に明記する必要があります。

企業とWebライターが著作権譲渡契約を交わしたのであれば、執筆料金が支払われると同時に著作権は企業側に移行します。

例えば、クラウドソーシングのCrowdworksの場合は、利用規約で「クライアント」すなわち企業側に著作権が移転されます。

”第14条 本取引の成果物等に関する知的財産権及びその利用

1. 本サービスを通じてメンバーがクライアントに対して納品した成果物に関する著作権等の知的財産権(著作権法第27条及び第28条の権利を含みます。)は、本取引の業務が完了するまでの間はメンバーに帰属するものとし、本取引の業務が完了した段階でクライアントに移転・帰属するものとします。”

引用元:クラウドワークス利用規約

著作者人格権について契約書に記載する

では、Webライターには著作物に対する権利が全く何もないかというと、そういうわけではありません。「著作者人格権」が残ります。

著作者人格権には、以下の3つの権利があります。

  • 公表権:公表の可否、方法、公開日を決定できる権利
  • 氏名表示権:氏名の表示の有無と公表する場合は本名かペンネームかを決定できる権利
  • 同一性保持権:著作物が無断で改変や加工されない、名誉を害する利用がされない権利

しかし、Webライターによって名前表示の有無について意向がバラバラで統一されていなかったり、掲載時期をメディア側が決定できなかったりと仕事の進度やメディアの見せ方に悪影響を及ぼす可能性があります。
メディアの方針によってこれらのことを統一したい場合は、「著作者人格権を行使しない」ことについて「著作者人格権不行使条項」という条項に記載しなければなりません。

この条項に記載するときは、発注者だけでなく第三者に対しても記述するのが一般的です。例えば、「発注者や発注者が指定する第三者対して著作者人格権を行使しない」などと記述します。

まとめ

メディア運営者がライターに執筆を依頼するときは、著作権違反にならないよう、著作権のことについてよく理解して注意しなければなりません。またトラブルを回避するために合意のもとで契約書を交わすことはかなり重要です。大損害を被らないためにも、ぜひ、参考にしてください。

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