PDCAサイクルとは?
PDCAサイクルとは、多くの企業で採用されている継続的改善手法のことです。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを繰り返すことで、業務の効率化を目指します。1950年代に、統計的品質管理の学者デミング博士ら(米)によって提唱され、以後日本企業へ広く浸透しています。
PDCAサイクルのメリット
PDCAを活用するメリットは、主に2つあります。
- 継続的に業務を改善できる
- 目標が明確になり、達成率が上がる
①継続的に業務を改善できる
PDCAは、正しく運用できれば確実に業務を改善できる手法です。正しく運用するポイントについては、次項にて説明していますので、ご参考ください。
②目標が明確になり、達成率が上がる
PDCAは、明確な目標設定をすることを重要視しています。そのため、目標達成に向けたプロセスが明らかになりやすく、その結果、目標達成率の向上が期待できます。
各ステップの詳細と成功するためのポイント

PDCAサイクルを正しく運用するポイントを、ステップ毎に紹介します。
①Plan
Planとは、目標をたて、それを達成するための道筋を具体化するステップです。
Planのステップにおけるポイントは2つあります。
- 目標を明確にする
- やるべきことを漏れなく抽出する
目標を明確にする
目標は、達成できたかどうかを明らかにするため、できるだけ数値化することをオススメします。また、効率的に仕事を進めるため、目標の期限を設定しましょう。
やるべきことを漏れなく抽出する
目標を達成するためにやるべきことを、リストアップします。それらの優先順位や重要度を考え、具体的なアクションプランを設定します。
②Do
Doとは、計画を実行するステップです。Doのステップにおけるポイントは、活動の記録を残すことです。
活動の記録を残す
Checkのステップにて、正確に評価するため、進捗状況をこまめに記録します。計画通りに進んでいないことや新たに発生した課題も記録しましょう。
③Check
Checkとは、進捗状況を把握し、目標達成率を評価するステップです。Checkのステップにおけるポイントは、目標達成率を具体的な数値で示すことです。
目標達成率を具体的な数値で示す
Planのステップで設定した目標を元に、達成率を算出します。達成率が低い場合は原因分析を行いましょう。達成率が高い場合も、良かった点と悪かった点をあげてみましょう。
④Action
Actionとは、Checkで明らかになった課題を元に、改善点を考えるステップです。Actionのステップにおけるポイントは、実現性の高い選択を行うことです。
実現性の高い選択を行う
評価結果を見ながら、それぞれの課題に対して、引き続き進めるのか、見直しが必要なのか判断します。時には、計画を中止や延期するといった判断も必要となります。
PDCAは古いのか?OODAとの使い分けとは

近年、PDCAにかわってOODAループが注目されています。OODAループの定義とPDCAとの使い分けについて解説していきます。
OODAループとは?
OODA(ウーダ)とは、Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(決定)、Act(行動)の頭文字をとったものです。このループの繰り返しによって、素早く柔軟に対応できるようになり、短期間で成果を出すことを目指します。航空戦に挑むパイロットの意思決定のために編み出され、次第にビジネスでの意思決定においても活用されるようになりました。
各ステップの詳細を紹介します。
①Observe
Observeとは、相手を観察するステップです。現在起きていることを客観的に見ることが重要です。
②Orient
Orientとは、前ステップで得た情報が何を意味しているのか考察し、方向付けをするステップです。素早く且つ現実的な方向付けをしましょう。
③Decide
Decideとは、方向付けの結果やるべきことを計画するステップです。
④Act
Actとは、計画を実行するステップです。観察したことが古い情報にならないよう、即時行動することが重要です。
PDCAとOODAの使い分け
PDCAとOODAはよく比較されがちですが、それぞれに長所短所があり、上手く使い分けることが重要です。2つの大きな違いとしては、PDCAは「計画を立ててから行動する」のに対し、OODAは「現場の判断で素早く行動する」ところから始まります。
- PDCAが適する場面:参考になる前例があるとき
- OODAが適する場面:即時行動に移さなければならないとき
まとめ
PDCAサイクルは、ポイントをおさえて正しく運用すれば、着実に成果をあげられる手法です。ただし、事前にPDCAが有用な場面なのか否かを適切に判断することを忘れないようにしましょう。場合によっては、OODAやその他の手法と使い分けることも大切です。