SEOで使われている「サジェストキーワード」とは何でしょうか。その意味と、SEOでの使い方を解説します。自動で一括抽出できる無料ツールも紹介しているので、参考にしてください。「関連キーワード」との違いについても解説しています。
サジェストキーワードとは何か
サジェストキーワードとは、インターネットの検索エンジンに言葉を入力すると自動的に表示される、キーワードの候補です。
例えば以下のように、Googleの検索窓に「スマホ」と入力すると、その下に「スマホケース」「スマホ 壁紙」などのキーワードが自動的に表示されます。これがサジェストキーワードです。

これは、ユーザーが検索しようとしているキーワードを、検索エンジンが自動的に予測した提案(=サジェスト)として表示されます。
ユーザーが検索キーワードを考える手間を省き、利便性を高めるために表示されるものです。
入力されたデータの一部を基に、その後入力されると予測される内容を提示する機能は「オートコンプリート」と呼ばれます。この機能は検索エンジン以外にも、WordやGmailなど、様々な入力の場で活用されています。
サジェストキーワードの根拠は何?
サジェストキーワードは、どのようなデータを根拠にして表示されるのでしょうか。
Google検索の公式ヘルプでは、「人気度」や「類似性」によってサジェストキーワードを決定すると記載されています。
オートコンプリートの仕組み
Google では、人気度や類似性などの要因に基づいて検索候補を表示します。検索候補を選択すると、そのキーワードを使用して検索が行われます
検索候補、オートコンプリートとも表現されています。
つまり、入力したキーワードについて、他の多くのユーザーが入力している「人気度」の高いキーワードや、関連性が高く「類似性」のあるキーワードが表示されるということです。
また、「過去に行った関連する検索」が根拠となるとも記載されています。使用者が今までに検索したキーワードが反映され、使用者の興味や関心に合った候補が上位に表示されるようになっているのです。この仕組みは、「パーソナライズ」と呼ばれます。
SEO記事を制作するためにサジェストキーワードを調べる場合や、検索エンジンを使ったマーケットの情報収集を行う場合は、パーソナライズの影響を受けないようにする必要があるのです。
パーソナライズの影響を避ける方法は、いくつかありますが、おすすめの方法はリサーチツールを使うことです。リサーチツールについて詳しくは、下記の「一括抽出できる無料ツール5選」の項目を参照してください。
検索結果の下部に出る「関連する検索キーワード」との違いは?
サジェストキーワードと似たものとして、「関連キーワード」があります。関連キーワードは、検索窓ではなく、Googleの検索結果の下部に表示されるキーワード一覧のことです。
例えば、「スマホ」と検索した場合、検索結果を下にスクロールしていくと、以下のような表示があります。

「スマホに関連する検索キーワード」と表示された一覧が、「関連キーワード」と呼ばれるものです。その内容は、サジェストキーワードとは異なる場合があります。
関連キーワードも、サジェストキーワードと同じように、他のユーザーが多く検索しているキーワードなどを根拠にして表示されるものです。SEOでの使い方については、特に大きな違いはありません。
サジェストキーワードの使い方
SEO記事を作るうえで、サジェストキーワードをどのように使えばよいのでしょうか。主に以下の2つの使い方があります。
記事の質を高めるための参考にする
まず、制作する記事の「質を高める」ためのヒントにするという使い方です。
前述のとおり、サジェストキーワードには、多くのユーザーが検索しているキーワードが反映されています。それを参考にすることで、ユーザーが知りたいと思う情報を、記事に追加するためのヒントになるのです。
例として、「スマホ 格安」のキーワードに対するSEO記事を制作している場合を考えてみましょう。
サジェストには「乗り換え」「大手 違い」などのキーワードが出てきます。これらを参考にすると、大手キャリアから格安スマホに「どのように乗り換えればよいのか」「大手との違いは何か」を知りたいというニーズがあることが分かります。
さらに、「おすすめ」や「比較」というサジェストから、具体的な格安スマホのキャリアや機種などについて知りたいユーザーがいることも分かり、その情報を記事に追加した方がよいと判断できるのです。
ただし、サジェストキーワードを多く追加するほどSEOに強い記事になるとは限りません。あくまでもユーザーにとって有益な記事になることを優先し、利便性を損なわない形で使いましょう。
新しい記事を作るための参考にする
もう一つは、「新しい記事を作る」ためのヒントにするという使い方です。
サジェストに挙がっているキーワードの内容によっては、検索者の意図が異なる場合があり、別の新しい記事としてまとめた方がよいかもしれません。
例えば、前述の「スマホ 格安」の例では、サジェストとして「高齢者」「比較 料金」などのキーワードも出てきます。
これらのキーワードを一つの記事にまとめることもできますが、それぞれ検索者の知りたいことが異なると思われるので、別の記事として作成した方がよいとも判断できるのです。
例えば、「高齢者」については、高齢者向けのシンプルな格安スマホの本体を購入したい人、「比較 料金」については、格安スマホの本体ではなく通信料金の比較をしたい人であると考えられます。
このようにサジェストキーワードを調べることで、どのようなニーズを持っている検索者がいるのかを知ることができ、新しいSEO記事を作るためのヒントになるのです。
一括抽出できる無料ツール5選
サジェストキーワードを調べるには、検索窓にキーワードを一つずつ入力するだけでなく、ツールを使って一括抽出するという方法もあります。ツールを利用することで、自分が以前に入力したキーワードの影響を受けずに、効率的にリサーチできるのです。
有料のSEOツールもありますが、サジェストキーワードを取得するだけなら無料ツールでも十分でしょう。以下に5つの無料ツールを紹介します。
1.Google広告キーワードプランナー

【ツールURL:https://ads.google.com/aw/keywordplanner/home】
Google広告の公式ツールである「キーワードプランナー」は、広告配信のための「広告費のシミュレーション」や「広告の競合性」などをリサーチできるツールですが、サジェストキーワードの抽出も可能です。
キーワードプランナーは無料でも使えますが、有料版と比べて、表示される情報に制限があります。有料版では、キーワードごとに詳しい検索ボリュームの数値が表示されますが、無料版では「100~1000」など、およその数値しか表示されません。
操作画面が少し複雑になっており、Google広告のアカウント登録をする必要もあるため、初心者は使い慣れるまでに少し時間がかかる可能性があります。
シンプルに使えて、アカウントの作成が不要なツールとしては、次から紹介するツールがおすすめです。
2.ラッコキーワード

【ツールURL:https://related-keywords.com/】
リサーチしたいキーワードを入力するだけで、サジェストキーワードを一括抽出できるツールです。Googleだけでなく、「Bing」「YouTube」「Amazon」「楽天」などのサジェストも、一括抽出してくれます。
抽出したキーワードは、重複除去した状態で「コピー&ペースト」が可能。CSV形式でのダウンロードもできます。Googleトレンドによる検索ボリュームの変化も表示してくれるので、キーワードの人気度を確認しながらのリサーチが可能です。
「1日あたりの検索回数は20回まで」という制限がありますが、無料の会員登録をすることで、制限なしでの利用ができるようになります。
3.OMUSUBI(おむすび)

【ツールURL:http://omusubisuggest.appspot.com/】
サジェストキーワードをマップ状に表示してくれるツールです。検索窓にキーワードを入れるだけの簡単操作で使えます。
他の多くのツールでは、サジェストキーワードが「一覧表」として表示されますが、OMUSUBIでは「キーワードマップ」として表示されるので、視覚的に分かりやすく調べることが可能です。
サジェストの種類はGoogleだけでなく「Bing」「Amazon」「YouTube」など幅広く対応。キーワードをテキストやCSV形式で抽出する機能はありません。
4.サジェストキーワード一括DLツール

【ツールURL:https://www.gskw.net/】
単語を入力するだけで、サジェストキーワードを抽出できるツールです。抽出したキーワードは、CSV形式で一括ダウンロードできます。
「Google」「Bing」「Amazon」「YouTube」のサジェストに対応していますが、各ツールのURLが別々になっているので、一括では抽出できません。各サジェスト用のツールにアクセスして、個別に抽出する必要があります。
無料で使えるツールですが、検索は「1日1回まで」という制限付きです。それ以上の検索をするには、有料の会員登録をする必要があります。
5.Ubersuggest(ウーバーサジェスト)

【ツールURL:https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/】
無料ながら機能が豊富なツールです。リサーチしたい単語を入力するだけで、サジェストキーワードだけでなく、各キーワードの検索ボリュームを詳しく調査できます。
各キーワードについて、検索上位の競合ページに関する情報まで抽出可能です。Google広告のキーワードプランナーのように多機能でありながら、シンプルな操作で使えるリサーチツールです。
無料でも使えますが、表示されるサジェストキーワードが「10件まで」など制限があり、検索は「1日3~5件まで」の制限付きです。回数制限となった場合は24時間待つか、制限を解除するには、月額料金(1~3サイトの場合、¥2,999~)の支払いが必要です。
まとめ
サジェストキーワードは、SEOを考えるうえで重要な情報です。一括抽出ツールを使うことで、サジェストキーワードを効率的にリサーチし、SEOの参考にできます。
ただし、サジェストキーワードを無理にタイトルや見出しに入れ込むのではなく、あくまでもユーザーにとっての読みやすさや利便性を損なわない形で使用しましょう。
ユーザーのニーズ・知りたいことをリサーチするために、サジェストキーワードをしっかりと活用しましょう。