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オウンドメディアをこれから立ち上げたいと思っている企業、もしくは運営し始めてみたけれど伸び悩みを心配している企業、そんな方々に向けて、よく起きる問題点や注意点を踏まえて運営のコツを紹介していきます。当内容はサイトエンジン「かくたま」のセミナーで公開している内容です。ご興味のある方はぜひセミナーにもご参加ください。

オウンドメディアを立ち上げる~準備編~

まずはメディアの種類を知る

オウンドメディアの運用が注目を集めていますが、ほかにも自社でコントロールできるメディアとして、ペイドメディア、アーンドメディアがあります。

ペイドメディア

企業が費用を支払い、テレビ、雑誌等のマス媒体やweb上に広告を掲載するといった従来型のメディアのことです。大量のユーザーがコンテンツを閲覧するというメリットがあります。しかし、莫大な費用が掛かるので、広告予算に余裕がない企業にはあまり向きません。

アーンドメディア

アーンドメディアは、ユーザー投稿によるブログサービスやSNS等のメディアを指し、拡散力が最大の強みとなります。ブランド認知や、売上向上が期待されますが、企業がユーザーのリアクションをコントロールできないので、評判を落としてしまうリスクがあります。

オウンドメディア

自社の既存顧客や見込み客が発信対象なので、それだけでは新規顧客とのコミュニケーションが難しいという欠点をもっています。しかし、自社媒体を用いて、ペイドメディアやアーンドメディアでは伝えきれない、自社の既存顧客に合ったより深いコンテンツを作ることができます。コントロールがしやすいので、ユーザーの特性を考えながら、興味や関心を引く直接的な関係性を構築できます。ペイドメディアと組み合わせて活用することで、新規顧客獲得の役割も担います。

上記3つのメディアは、独立しながらも相互に補完し合う部分があります。それぞれのメディアを組み合わせて活用することで、相乗効果が期待できます。

本当にオウンドメディアの運用が取り組みとして最適か考える

まずはそもそも自社にオウンドメディアの立ち上げが本当に必要なのかどうかを考えてみます。コンテンツマーケティングが自社の集客やブランド認知拡大などにとって有効かどうかを検討しましょう。

単純な集客を考える場合、オウンドメディアの運用に限らず、その手法はたくさんあります。
Google広告などの広告を使う方法や、SNSの運用、アフィリエイトプログラムを行うことなどです。極端にエリアや用途が限定されているサービスの場合や、短期的に成果を出したい場合などには、他の集客の手法を選択する方が効果的な場合もあります。

様々な手法を総合的に検討する

運営の目的を考える

オウンドメディアを運営し、コンテンツマーケティングに取り組むと決めた際は、必ずメインとなる目的をはっきりさせておきます。コンテンツマーケティングの効果は幅広く、あやふやな目的で取り組むと、関わる自社のセレクションごとに目的が変わってしまう場合があるからです。
複数の目的が混在し、メディアの方向性がぶれてしまいます。

リードを獲得したいという営業の思惑だったり、ブランド認知を向上させたいという経営側の目的だったり、もしくは製品の使い方やトラブル対処法のようなユーザーの疑問を解決して、顧客満足を高めるコンテンツを増やしたいといったカスタマーサービスの目的もでてくるでしょう。

最初の段階で、メディアを作るにあたり、何が一番の目的になるのか、コンテンツをどのようなカテゴリーにしていくかなど、社内で方向性を統一することがとても重要になってきます。これができないまま進むと、結果がでているのか、でていないのか、社内で判断が変わってきてしまいます。コンバージョンに至っていないのにPVが増えたからブランド認知は上がっているとか、PVは少ないけど既存ユーザーが問題解決に使っているからいいのだ、といった複数の価値判断が出てきてしまうのです。

ユーザーにどんな行動を求めるのか、何のためのコンテンツなのか、どこで使われるコンテンツなのか、目的を明確にしてからディレクションの中に落とし込んでいきます。

メディア運営中に行き詰まりを感じた時も、一度立ち戻って目的を見直してみるフローをお勧めします。
例えば、ライターに依頼したライティングが、会社の方向性と全く違うものになって上がってくることがあります。会社の目的をはっきりさせてから依頼するとそうした問題が解決する場合があります。メディアが立ちいかなくなっている時は、社内でオウンドメディアの役割に関して一度話し合うと良いでしょう。 オウンドメディアを立ち上げる必要性をきちんと確認できたら、次に、実際の運用方法を学んでいきましょう。

目的に合わせたメディアを作ろう

良いオウンドメディアにするには~運用編~

良いオウンドメディアとは

運用に関して確認する前に、まずは良いメディアとは何かを考えましょう。一般的には、更新頻度が高く、ユーザーのニーズを的確にとらえた記事があり、情報が常に充実しているメディアだと言えます。オリジナルの情報を発信できているかどうかも重要なポイント。その他、見やすさがとても重要です。PCだけでなく、スマホでも見やすくなくてはいけません。この「見やすさ」は見た目がよいということではなく、ユーザーが情報を理解しやすく、必要な情報にストレスなくたどり着けるサイト構造などを指します。ユーザーの回遊率や読了率がどれぐらい取れるかを意識して作っていきましょう。

編集体制の最適化

仕事の流れを細分化し、誰がどの仕事までをするか、一連の仕事の流れの設計をします。

例えば、プロデューサーは、予算管理、企画管理、クライアントとの折衝、全体把握などを行い、ディレクターは、進行管理、クオリティ管理、作業仕分け、末端までのスケジュールを把握しておくなど、最適な編集体制を考えます。

よくあるのは、運用体制を決める時点でのミスです。一人の人間に複数の役割を与えようとすると、やり切れずに運用がストップしてしまうことがあります。また、与えられた業務に必要とされるスキルが異なるのに、同じ人に複数業務を任せているというミスも見受けられます。それぞれの役割にとって必要なスキルをしっかりと身につけたスタッフを置くようにしましょう。
業務の流れを曖昧にすると、差し戻しや、修正依頼、画像の作成などの度に、原稿が色々な人の手元を行き来してしまうといった非効率な作業が生まれます。業務進行速度やコストにも影響するので、作業フローを決めておくことは極めて重要です。

運用に際して外部企業を活用するには業務内容を明確にしておく

運用のすべてが自社で行えればそれにこしたことはありません。しかし実際、更新頻度が高いメディアを作るためには、自社だけで行うのはかなりの労力が必要となります。そこでおすすめなのが外部の企業やフリーランサーをうまく活用することです。
原稿の制作や、運用の一部を外部に預けることで、自社では戦略や戦術に力を入れることができます。

外部の力を使うために、まずは仕事の流れを設計し、自社で行う仕事の範囲を決め、外部に依頼する分業部分を何にするか明確にする必要があります。分業部分のすみ分けをはっきりさせておかないと、責任の所在もあやふやになってしまいます。パートナー企業を選定するためにも、 どの作業を切り分けて、どこの部分をどの会社に渡すかをしっかり決めましょう。さらに、外部企業の強みをしっかりと把握する必要があります。

パートナー企業の設定

「オウンドメディアの運用はサイト管理を任せているいつもの制作会社さんでいいだろう」という企業が多くいます。より良い選定とかけ離れた選定の仕方です。運用で躓いている会社をよくよく調べてみると、実は紙ベースの広告代理店にWEB制作を頼んでしまっていたり、リスティング専門の会社にライティングまで任せてしまっていたりと、実は選定の段階でミスをしてしまっている場合が多くあります。WEB制作会社がライティングまでできると話をもってきたり、編集プロダクションがSEOもできますと話していても、実際には外部に依頼していることがあります。間に入る人が増える分、メディアのコンセプトが伝わり切らなかったり、中間の担当者がライティングやSEOに必要な知識を十分に持ち合わせておらず、クオリティチェックが不十分になる可能性もあります。

それぞれに特徴があるので、パートナー企業を選定する際は、任せたい仕事に必要な知識やスキルを明確にし、発注検討先の実績を確認と強みを理解したうえで発注するようにしましょう。

運用で重要なのは「管理」

最適な編集体制が決まったら、実際にその細分化されたスケジュールをしっかり管理できるようにしなければなりません。納期管理、スケジュール管理をシンプルに行えるようにしましょう。
コンテンツの制作などが少量であれば、初期のうちはそれほど問題にならないのですが、運用期間が延びるほどに既存のコンテンツとの重複など、考慮しなければいけないことが増えます。コンテンツ制作を大量に行う場合は進捗管理などを含めて現場の混乱が起こらないような管理体制が必須となります。進捗状況を各スタッフが1か所で確認できるように情報共有の仕組みを作ることが大切です。これはエクセルなどでもかまいませんが、できるだけリアルタイムに変更を共有できるよう、Googleスプレッドシートやクラウド型のツールを使うことをお勧めします。

サイトエンジンが実際に使用している自社システムでは、プロデューサー、ディレクター、ライター、校正者のそれぞれが同じ情報を同時に確認することができます。ライターの業務の進捗状況をディレクターが常に確認できる状態で、ライティングが終わると校正者へ通知が行われるなど、進行管理自体がスムーズに行われるようにプログラムされています。
プロジェクトごと、記事ごとのスケジュールまで細分管理されています。

記事ごとにライティングが上がるタイミング、校正が上がるタイミング、納品のタイミングが把握できる必要があります。「1名のライターに10本の記事を任せて、1週間後に納品される」といったあやふやな管理だと、納品日寸前になって実は5本しかできていない、といったことがわかるなど、進捗の遅れの原因となります。

プロジェクトレベル、記事レベルでの効率的な管理体制を整えておくことが必要です。

ツールを活用して効率化を図る

エクセルやスプレッドシートで限界を感じる場合は、その他のツールも積極的に活用しましょう。

サイトエンジンでは、スケジュールやタスクの管理のためにJIRA、ナレッジの共有用にConfluenceというソフトを導入しています。

例えば、担当ディレクターがいない日でも、他のディレクターが Confluence のナレッジボードを見れば情報共有できるようになっています。随時アクセスし、メッセージをためておけるので、ディレクターは柔軟に仕事を行うことができます。

JIRA

JIRAはスケジュール管理におすすめのツールです。業務の進捗状況も確認できるので改善のプロセスにも積極的に取り組めます。ナレッジの蓄積にも便利なConfluenceとも簡単に連動できるので使い方の幅が広くオススメ。
https://www.atlassian.com/ja/software/jira

BACKLOG

JIRAと同じく進捗管理で有名どころならBACKLOG。プロジェクトごとの管理進行や、進捗具合の確認がわかりやすく管理できます。ガントチャートの利用や、現状だれがボールを持っているのかが簡単にわかります。
https://backlog.com/ja/

Trello

シンプルにスケジュール管理をするならTrello。ボードの数に制限はありますが、無料版でも十分使えます。カンバン型スケジュール管理を始めるならまずはTrelloから試してみるのもいいかもしれません。
https://trello.com/

CONFLUENCE

Confluenceは情報を一元管理するためのシステムです。ナレッジの蓄積の他に、会議の議事録やレポートなどさまざまな形式でドキュメントを蓄積していくことができます。ワークスペースにはそれぞれがコメントすることもできるので、参加するスタッフの意見を取り入れながら情報を加筆修正していくことができます。
https://www.atlassian.com/ja/software/confluence

Chatwork

スタッフ間のコミュニケーションをスムーズにするならチャットワークがお勧めです。スタッフ同士やり取りの履歴を文字ベースで残せるので、言った言わない論争とも決着がつきます。あくまでコミュニケーションツールで、細かな制作進行には向きませんが、制作進行に関するホウレンソウには力を発揮します。
https://go.chatwork.com/ja/

Slack

SlackもChatworkと同じくコミュニケーションツールとして有名。ワークスペースごとにチャンネル管理をしていきます。プロジェクトや取引先ごとにワークスペースを作り、管理していくので情報整理しやすいところがおすすめです。
https://slack.com/intl/ja-jp/

継続的に取り組みを続ける必要のあるオウンドメディアの運用は、単発業務とは違い、体制を整え、システム化することがとても重要です。ここまで準備、運用とご紹介しました。ツールがちょっと多くなってしまいましたが…次回は、実際のコンテンツ制作作業に関してご紹介します。

制作編はこちら

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