Google(グーグル)ドキュメントは近年文書作成ツールとして、学生のレポート作成から、ビジネスシーンでも使われるようになってきました。
まだ使い慣れておらず、よく比較される『Word』よりは信頼を置けない。。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はGoogleドキュメントの基本的な使い方から、『Word』とGoogleドキュメントどちらを選ぶべきなのかをお伝えいたします。
記事作成をするときには欠かせないツールになりつつあるので、Googleドキュメントを使ったことがない編集者やライターの方はぜひ使ってみてください。
1.Googleドキュメントの基礎知識

GoogleドキュメントはGoogleの無料サービスで、pcやスマホ、タブレットのどれでもログインができ、文書ファイルの作成、保存ができるツールです。
そのGoogleドキュメントの便利な機能として挙げられるものが、
- 自動でクラウド上に保存してくれる
- チーム内で文書を共有し、同時に編集ができること
の2つです。
これらを活用し効率よく文書を作成するために、まずは基本的な情報から整理しましょう。
利用方法
Googleアカウント(Gmailアドレス)をお持ちであれば誰でも以下のリンクからログインして利用できます。
Google ドキュメント – オンラインでドキュメントを作成、編集できる無料サービス
(Gmailアカウントをお持ちではない方はこちらから)
Google アカウントの作成 – Google アカウント ヘルプ
Googleアカウントを取得することで、Gmailや、YouTubeのチャンネル登録などにも利用できます。
容量
Googleドキュメントは、Googleドライブという自分のGoogleアカウント内でのファイル管理サービス内に保存されます。
Googleドライブの容量は15GBですが、Googleドキュメントの保存容量は無料利用で1GBとされています。
一見容量としては少なく感じますが、PDF や Microsoft Office ファイルで保存した場合の容量になります。これらをGoogleドキュメントに変換して保存した場合、サイズが0になり、容量を圧迫することなく保存が可能です。
利用金額
Googleドキュメントは基本無料で利用できます。
ただ有料版も存在します。これはGoogleドキュメント単体ではなく、Googleアカウントの有料版『G suite』での利用になります。Googleドキュメントの使用上大きな機能の違いはありませんが、容量、サポート体制、セキュリティ面で違いがあります。またgmailで独自のドメインを使用できることもあり、導入している会社も増えています。金額は1ユーザー当たり1ヶ月でBasicが680円、Businessが 1,360円、Enterpriseが3,000円と、用途や目的によってコースが分けられています。
2.Googleドキュメントの使い方

実際に質問が多く、便利な使い方をご紹介します。
レイアウト
文書を作成する際は、「新しいドキュメントを作成」からテンプレートを選択し、文書の作成が出来ます。テンプレートギャラリーをクリックすると、学生のレポートやビジネスマンの企画書など、様々な用途を想定したテンプレートが表示されます。
またテンプレートギャラリー内で、希望のテンプレートが見つからなかった場合、以下のようなサイト等で作成されたテンプレートをコピーして使用することもできます。
Google ドキュメント テンプレート集 | G Suite,Amazon EC2は、サテライトオフィス | Google App Engine
フォント
フォントで多く質問をいただく内容が、Googleドキュメントの日本語フォントのパターンが少ないということです。
上の画像のように日本語対応されているものは、
- メイリオ(その他同一)
- MS Pゴシック
- MS P明朝
の三種類ですが、「その他のフォント」から丸文字などを選択できます。
手順は以下の通りです。
その他のフォントをクリックし、「文字:すべての文字」の欄を日本語に選択します。これで上の画像のように日本語のフォントを抽出し、表示されます。
[Kosugi Maru]を適用したフォントが上の画像です。
ページ(追加、削除)
ページの追加:メニューの「挿入」→「区切り」→「改ページ」で追加できます。ショートカットキー「Ctrl+enter」で追加も可能です。
ページの削除:改ページの下にカーソルを合わせて、Backspace キーか Del キーを押して改ページを削除します。
翻訳
上部のメニューから、「ツール」→ドキュメントの翻訳機能」を選択します。
翻訳済みドキュメントのタイトルを入力して、言語を選択し、「翻訳」 をクリックします。
翻訳されたドキュメントのコピーが新しいウィンドウで開きます。
取り消し線
ショートカットキー「Alt+Shift+5」を使用することで取り消し線を引いた文字を入力できるようになります。また文字の取り消し線を削除したい場合、再度「Alt+Shift+5」を使用することで削除できます。 |
文字数カウント
上部のメニューから「ツール」→「文字カウント」を選択すると下の画像のように表示されます。またショートカットキー「Ctrl+Shift+C」で文字カウントできます。
音声入力
議事録やインタビューでも活用される音声入力ですが、非常に簡単に使用できます。
上部のメニューから「ツール」→「音声入力」をクリックします。
左にマイクのアイコンが出てきます。こちらをクリックして話します。再度マイクをクリックすれば、音声入力は終了されます。
またショートカットキー「Ctrl+Shift+S」でマイクのアイコンを表示させることができます。
共有設定
グーグルドキュメントの特徴でもある共有機能です。
基本的に新規で作成した文書は非公開の設定になっていますが、特定の人やグループに公開して、同時に編集を進めることが出来ます。
はじめに共有したい文書ファイルを開き、右端の「共有」→「ユーザーやグループと共有」を開きます。
「ユーザーやグループを追加」に共有したいGoogleアカウントを入力し、鉛筆マークをクリックして、他のユーザーのファイル権限を、「編集者」「コメント可「閲覧者」の中から選択し、送信をクリックします。
この後共有したいユーザーにメールが届き、メール内の「ドキュメントで開く」から文書を閲覧、編集できるようになります。
G suiteでドメインごとに共有する場合
右端の「共有」→「リンクを取得」の一番下に「ドメイン名へのリンク権限を変更」(画像の2)をクリックします。
これでドメイン内で文書の共有が出来ます。
文書のPDF、Wordへの変換
Googleドキュメントで作成した文書をPDFやWordの形式で提出する際に使用する方法です。上部のメニューから「ファイル」→「ダウンロード」から、保存したい形式を選択します。
印刷(プリント、スキャン)
印刷する文書を開き、上部のメニューから「ファイル」→「印刷」を選択します。
ブラウザのプリント ダイアログが表示されるので、印刷の詳細を設定し、プレビューを確認して[印刷]ボタンをクリックすると印刷が開始します。
または一段下の印刷のアイコンをクリックするか、ショートカットキー「Ctrl+P」でブラウザのプリント ダイアログが表示されます。
3.GoogleドキュメントとWordを比較

Googleドキュメントとよく比較される「Word」ですが、企業によっては併用されていたり、「Word」単体で利用されている事も少なくありません。
では具体的にはどのような違いがあるのかを、それぞれのメリットを通して解説します。
Googleドキュメントのメリット
価格
Googleドキュメントは、基本的に無料で利用が可能です。
一方Wordは、Officeのパッケージ版を購入してライセンスを取得するか、Office 365を契約するサブスクリプション方式かの有料で利用になります。前者は一括で支払いを行い、後者は継続的に契約するため月額もしくは年額で料金を支払います。
安全性
Googleドキュメントは、Googleのサーバー上にファイルが保存されるため、仮にPCが故障した場合でも、ファイルは破損しません。
一方Wordは、基本的にPC上にファイルを保存します。PCの故障によりファイルの破損を想定し、別のHDDやオンラインストレージにバックアップを取り、保存先を変更する必要があります。
共有機能
先ほど説明した共有機能については、Googleドキュメント独自の機能です。一方Wordは、個人のPC上で編集作業を行うため、共同で閲覧・編集はできません。
ファイルを共有するにはUSBメモリやHDDを使用したり、メールやチャットで送ったり、クラウドストレージに保存したりなどの作業が必要になります。
Wordのメリット
保存容量
Wordはパソコンにインストールして使用するクライアントアプリですので、保存容量は使用しているパソコンに依存します。
オンラインストレージと連携したりディスクを追加することで、自由に保存容量を増加できるため容量を気にすることは少ないでしょう。
フォントパターン
Googleドキュメントとの決定的な差がフォントです。日本語フォントだけでも数十種類あり、全体ではその何倍もの種類があります。
処理速度
Wordはパソコンにインストールされた文書ツールのため、通信環境による影響を受けません。
一方でGoogleドキュメントはブラウザ経由で利用するため、どうしても通信環境に依存してしまいます。
今後のリモートワークに向けてどちらを利用するべきなのか

昨今の社会状況からリモートワークが推進される企業も多い中、結論として両方導入し、用途によって使い分けることがベストです。
複数人のグループで文書を編集しながら作成する作業であれば「Google(グーグル)ドキュメント」、
個人で多くの文書を管理し、様々なフォントを使用した文書が求められるのであれば「Word」、
のように使い分けることで、効率よく業務を進めていけるでしょう。
ただし、Microsoft 365を使えば、Wordもクラウドで活用することができ、共同同時編集やどの端末からでも同じデータにアクセスできるといったメリットを得られます。