副業としても人気のwebライティング。在宅でできる仕事として、取り組んでみたいと思う方も多いお仕事です。気軽に始める方が多いのですが、お金をもらう限り、プロのライターとして働くわけですから、「初めてだから」「なれていないので」といった言い訳は通用しません。

報酬に見合ったクオリティの原稿を納品できなければ、クライアントの信頼を失い、仕事を続けることは難しくなってしまいます。まずはどのように文章を書くのか、をよく学んでから取り組むようにしましょう。そこでWebライティング初心者の方が文章力を上げるためにおすすめの本をご紹介します。

参考になるWebライティング本の選び方

初心者の場合は、まず記事の書き方に関する情報が多い本を選ぶようにしましょう。いくら細かいテクニックを覚えても、肝心の基礎が出来ていないと正しく活用することができません。

タイトルに「基礎」や「初心者」が入っているものをAmazonなどで検索すれば、すぐに候補を探せます。文章の書き方の基礎が分かったら、次はSEOに関して勉強しましょう。SEOは検索エンジンに評価されるための文章術で、これをマスターしないと検索で読者に見つけてもらうことが難しくなります。

Webライティングの初心者に読んでほしいおすすめの本5選

ライティングの経験の浅い初心者におすすめしたい書籍を5冊紹介します。

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング(できるビジネス)

唐木 元 (著)
出版社: インプレス
https://book.impress.co.jp/books/1114101132.php

この本は、もともとWEBメディアとして有名な「ナタリー」の初代編集長が、自社の未経験ライターに行っていたトレーニングをまとめたものです。初心者であってもWEBサイトに求められる文章作成術を体系的に学べます。文章を作るために必要な構成の組み立て方から、書く前にしておく準備、さらに書いた後に推敲して質を高める方法まで、これ一冊あればひとまず十分と言えるほどの内容です。

20歳の自分に受けさせたい文章講義

古賀 史健 (著)
出版社: 講談社
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000025367

タイトルに「20歳の」とあるように、大学生であったり社会人であったり、いずれにしてもある程度は自分の考えを持てるものの、それをうまく表現することに苦労している人を想定して書かれた本です。ドラマにもなった「嫌われる勇気」のライターさんが、文章の構成をはじめ、リズム感や接続詞を上手く用いた質の高い文章の作成術を教えてくれます。

伝え方が9割

佐々木 圭一 (著)
出版社: ダイヤモンド社
https://www.diamond.co.jp/book/9784478017210.html

同じ事を伝えようとしても、伝え方によって相手の感想はYESにもNOにも変化します。これは「いったいどのように伝えれば、相手にYESと言ってもらえるのか?」をテーマに書かれた本です。自分の思っていることをそのまま言葉にするのではなく、相手の思っていることを想像し、相手にとってのメリットと一致するような伝え方を探すというアドバイスがなされています。

文章力の基本

阿部 紘久 (著)
出版社: 日本実業出版社
https://www.njg.co.jp/book/9784534045881/

基礎力を上げるために使える、問題集のような一冊です。ライティングをする上でやってしまいがちな間違いを、例文と改善案の1セットで正してくれます。その内容としては「てにおは」の正しい使い方や、カッコや句読点、文法など、分かっているようで理解のあいまいな部分が全部で77つ。図解やイラストも使って分かりやすく説明されているので、初心者の方には非常に勉強となるでしょう。

頑張ってるのに稼げない現役Webライターが毎月20万円以上稼げるようになるための強化書

吉見夏実 (著)
染谷昌利 (監修)
出版社: 秀和システム
https://www.shuwasystem.co.jp/book/9784798051390.html

こちらは既に実際にライターとして活動しているものの、なかなか売上が増えない人に向けて書かれた本です。この本では「どうして稼げないのか?」という疑問について、「発注者が求める原稿になっていない」など5つの原因に分け、それぞれに対策方法を明かしています。今よりステップアップしたい人におすすめです。

SEOライティングスキルを高めたい方におすすめの本5選

上記の書籍で基礎的な能力を獲得したら、次はいよいよWEBライティングに必要なスキルの上級編です。ここではSEOの知識や具体的な文章テクニックの獲得に役立つ5冊を紹介します。

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—〈SEOのためのライティング教本〉

松尾 茂起 (著)
出版社: エムディエヌコーポレーション
https://books.mdn.co.jp/books/3216203005/

これまでの本とは趣が異なり、漫画をベースにしたストーリー仕立ての解説本です。600ページ以上の大ボリュームで、ライティングの基本に加え、SEOの重要性や、取材をする時のノウハウなど、実践的な内容が幅広く紹介されています。網羅されている範囲の広さが特徴ですが、各章ごとにまとめがあり、そこでさらに理解を深めることができます。WEBライティングの全体像を掴むことができるので、まずはこの本を読破して、その上で分野ごとの専門書を読むのがおすすめです。

「言葉にできる」は武器になる

梅田 悟司 (著)
出版社: 日本経済新聞出版社
https://www.nikkeibook.com/item-detail/32075

「バイトするならタウンワーク」、「世界は誰かの仕事でできている(缶コーヒージョージア)」などを手がけたコピーライターの方が、人の心を動かす言葉の作り方を教えてくれます。前半では、自分の中にある思考やイメージをどのように言葉にするのか、そのプロセスが語られます。そして後半ではその言葉を磨き上げていくテクニックを、自身が作った広告のコピーや過去の有名な事例を使いながら解説されます。見出しやタイトルで差を付けたい人にもおすすめです。

Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで (WEB PROFESSIONAL)

林千晶 (著), 中野克平 (著), 井上果林 (著), 小川治人 (著), 君塚美香 (著), 中田一会 (著), 吉澤瑠美 (著)
出版社: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
https://www.kadokawa.co.jp/product/311780200010/

基礎からSEOまで、一気に無駄なく勉強したい人におすすめの本です。タイトル通り「実践」できることを重視しており、起承転結など、文章の「型」を有効に使った作成術が紹介されています。商品説明用の文章や、プレスリリースを打つ際の文章なども、それぞれの基本となる「型」を元に説明がされているので、自分でも再現しやすくなっているのが特徴です。また検索エンジンから集客する場合と、ソーシャルメディアから集客する場合では見出しの作り方が異なるなど、ひたすら実践的な内容です。

どう書いたらいいの?!がなくなるWeb文章の書き方

下良 果林 (著)
出版社: ごきげんビジネス出版
amazon.co.jp

単に文章の分かりやすさだけではなく「売れる」文章に注目したのがこの本です。実際に大手企業の通販サイトで商品紹介を行っていたライターの方が教える文章術で、見た人を引きつけるためのタイトルや見出しの作り方、本文の書き方を基礎編で紹介しています。そして応用編では、通販サイト、ブログ・SNS、メルマガなど、媒体や状況ごとに効果のあるノウハウを公開。フリーのライターはもちろん、企業のWEB関係の担当者にも役立つ内容となっています。

SEOに強いWebライティング売れる書き方の成功法則64

ふくだ たみこ (著)
出版社: ソーテック社
http://www.sotechsha.co.jp/pc/html/1144.htm

SEOをテーマに、集客と成約をアップさせることを目的にした一冊です。64通りもの切り口で売れる法則を紹介、法則ごとに例文と、それに対する改善策が示されています。基本的なライティング技術がある前提で、検索結果に上位表示のためのキーワードの選定方法、有益なコンテンツの設計方法、制作チームの運営、伝える書き方、買わせる書き方など、WEBサイトを運用していく視点で必要な要素を幅広く収めています。

ライティングに関する書籍はたくさんあります。深く読み込み実践することで、技術の向上に役立ちます。まずはしっかりとスキルアップをして、クライアントの信頼を勝ち取れる文章を作成できるようにしましょう。これらの本で学習したあとは、ブログやnoteなどに記事を書いて、実践しながら新しい書き方に慣れていくことをおすすめします。

依頼主は基本的に源泉徴収をしてから報酬を振り込みますが、稀に源泉徴収をしない依頼主もいます。業務委託として働くフリーランスライターは、その源泉徴収について何をすればいいのでしょうか。この記事では、ライティングの仕事を初めて1年未満の方のために源泉徴収や確定申告についてご説明しています。

報酬受け取り時に引かれる「源泉徴収」って何?

正社員やアルバイトのように会社に雇用されている場合、12月か1月の給与明細と共に1年間に支払った税額が記載された源泉徴収票を受け取ります。しかし「源泉徴収」とは何なのかきちんとご存知の方は少ないのではないでしょうか。

源泉徴収とは事業者が従業員の毎月の給与から差し引く源泉所得税のことで、事業者がまとめて納税することで国が確実に所得税を徴収し、安定した税収を得ることができるようになっています。またフリーランスが得る報酬は作業内容によって源泉徴収の対象となるか、ならないかが決まり、対象となる作業の報酬は所得税を引いてから支払われます。

ライティングで得た報酬は源泉徴収される?

それでは、業務委託でのライティング業務で発生した報酬は源泉徴収をされるのでしょうか。ライティング業務で得た報酬は源泉徴収の対象であるため、徴収後に報酬が支払われます。しかし源泉徴収を行わずに報酬を振り込む依頼主もいますので、契約時に源泉徴収について説明がなかった場合は、初めて報酬が振り込まれた時に満額かどうか確認したり、依頼主に源泉徴収について確認を取る必要があります。

ちなみにライティングにおける源泉徴収税額は、報酬が100万円未満の場合は「支払金額×10.21%」、100万円以上であれば「(支払金額–100万円)×20.42%+102,100円」で計算します。
ただしパーセンテージの小数点以下は復興特別所得税であるため、2038年以降に生じた所得については徴収されなくなります。

個人事業主、フリーランスとして業務委託でライティングの仕事をしているなら、基本的に源泉徴収が差し引かれて振り込まれます。国税庁のサイトに、報酬・料金等の支払を受ける者が個人の場合の源泉徴収の対象となる範囲として、「原稿料や講演料など」と明記されています。

参考: No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは |源泉所得税|国税庁

つまり、ライティングの仕事に関していけば、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシング経由の仕事も含めて、基本的にすべて源泉徴収が必要です。もしあなたが法人化していて、法人の銀行口座に報酬を支払いしてもらうなら、源泉徴収は義務ではありません。

依頼主より源泉徴収されなかった場合に必要なこと?

もし依頼主が源泉徴収を行わずに報酬を満額振り込んだ場合はどうしたらよいのでしょうか。そういったケースが発生した場合、ライターが何かをする必要は全くありません。

源泉徴収した税金を納税するのは依頼主側の義務なので、誤って源泉徴収をしなかった場合にさまざまな処理をしなければならないのは依頼主のみとなります。

源泉徴収に関して必ずやらなければならないことは?

逆に、フリーランスのライターが源泉徴収の有無に関わらず必ずしなければならないのは確定申告です。1年間の源泉徴収額はその年の総所得で決まるため、もし税金を払いすぎていた場合は超過分を還付金として受け取ることができます。その場合、収入が少なくても確定申告はしておいたほうが得です。

所得はもらった報酬(売上)から、必要経費を差し引いて計算します。たとえば、もし原稿を書くための取材に行けば交通費は経費になるでしょう。また、原稿執筆のための資料として書籍を買った場合などもそれは経費になります。経費を申告することで納税額を減らせて、結果として還付金を受け取れるかもしれないのがフリーランスが確定申告するメリットです。

しかし源泉徴収された額が収入に対して少ない場合は追納する必要が出てきますのでご注意ください。

確定申告で抑えておきたい源泉徴収の疑問

確定申告書の作成は最初は難しいと感じるかもしれませんが、一度やり方を覚えてしまえば翌年からは簡単にできます。申告書作成時に浮かびやすい疑問を源泉徴収関連のみに絞ってまとめましたので、ぜひ覚えておきましょう。

納税や事務処理などは自分でする?

前述したとおり、源泉徴収についてライター側がすべきことは確定申告のみです。不足した場合は自分で納税する必要がありますが、通常は依頼主側が納めて処理までするため、確定申告以外にすることはありません。

源泉徴収の複式帳簿への記帳方法は?

青色申告をしているライターの場合、確定申告にあたって複式簿記で作成された帳簿を提出する必要があります。報酬が源泉徴収された場合は実際に得た額と源泉徴収の額に分けて記載しましょう。ほとんどの契約では報酬が発生した日と振り込まれる日は別ですので、今回はそのケースについてのみご説明します。

発生日と振込日が別の場合は、それぞれの日について記帳する必要があります。例えば10,000円の報酬を得た場合、報酬発生日の帳簿には

・借方「売掛金」 金額「10,000」
・貸方「売上高」 金額「10,000」
・摘要欄「原稿料」

と記載します。
そして振込日における源泉徴収額は1,021円ですので

・借方「普通預金」 金額「8,979」
・貸方「売掛金」 金額「8,979」
・摘要欄「原稿料」

・借方「事業主貸」 金額「1,021」
・貸方「売掛金」 金額「1,021」
・摘要欄「源泉所得税」

の2行を記載します。

源泉徴収に関して確定申告時にすべきことは?

確定申告書には申告書Aと申告書Bが存在しますが、フリーランスのライターや個人事業主は、所得の種類にかかわらず誰でも使用できる申告書Bに記入して提出します。この時、44番「所得税及び復興特別消費税の源泉徴収税額」に源泉徴収された金額を記入しますので、源泉徴収額の合計を求めておきましょう。

アルバイトとフリーランスライター兼業の場合は?

アルバイトとフリーランスを掛け持ちしておりフリーランスとしての収入が20万円を超えている場合、アルバイトの給与とライター業務で得た報酬の合計額を所得として確定申告を行います。ブログやアフィリエイトサイトなどの運営で副収入がある場合もそれが20万円以上になる場合には申告が必要です。

ライター業務で得た収入から経費を差し引いて事業所得を計算し、アルバイト先で発行された源泉徴収票を参照して合計所得を求めましょう。確定申告書を作成する過程でその合計所得を元にした所得税を算出し、既に支払った源泉徴収額を差し引いて1年間の税額を求めます。

ライティングの依頼主よりマイナンバーを求められることも

業務委託でクラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングのサイトを経由して作業を請け負った際、依頼主からマイナンバーの提出を求められることがあります。これは依頼主が作成する支払調書にライターのマイナンバーを記載する必要があるためです。

マイナンバーとは?

2016年1月から始まったマイナンバー制度ですが、そもそもマイナンバーは何のために使用されるのでしょうか。マイナンバーは国民1人に1つ与えられた12桁の番号であり、主に税金や社会保障などの機関で個人を特定するために利用されます。また、マイナンバーによって行政の業務効率化ができるとされています。

マイナンバーは必ず提出しなければならない?

マイナンバーは個人情報そのものであるため、流出した場合のデメリットを考えて提出を断りたい方もいらっしゃるでしょう。実は依頼主へのマイナンバーの提出は必須ではありません。提出を義務付ける法がありませんので、依頼主はマイナンバーの提出を強制することができないのです。
ただし、支払調書に記入欄があるのに提出を断ることは依頼主に悪い印象を与えかねませんし、後々の依頼数に響いてくる可能性もあります。依頼主と円滑な関係を続けていくためにも、依頼があった場合はマイナンバーを提出しましょう。

ライターは基本的に源泉徴収について気にする必要はありません。源泉徴収については複式簿記を作成する際、源泉徴収額についての行を設けること、確定申告の際は源泉徴収額を確定申告書に記載する必要があることのみ覚えておきましょう。

副業時代と言われる今、会社から独立してフリーランスとして活動する人もいるでしょう。フリーランスが個人事業主として仕事を受注する際、業務委託契約を求められることがあります。そこでこの記事では、業務委託契約と契約書に関して解説します。

そもそもフリーランスと業務委託の違いって何?

フリーランスと業務委託は、語感としては同じような印象を与えることもありますが、実際には異なる用語です。

フリーランスとは

一般的にフリーランスと呼ばれる働き方は、法的には個人事業主であり、広い意味では自営業です。会社や公的機関から一定の金額で継続的に雇用されるサラリーマンや公務員とは異なり、業務ベースで個々に企業と契約をして仕事を受注したり、個人客から直接収入を得る形態です。特定の組織に属することなく、自分の好きな場所で好きな時間に働くスタイルとなります。

業務委託とは

「フリーランス」が身分や働き方を指すのに対し、「業務委託」はフリーランスとして働く個人に企業が業務を委託することを意味し、具体的には相手と結んだ「契約」の内容を指します。この契約は口頭でも有効とされますが、契約書を交わす場合もあります。契約書には委託する業務の内容や期限、支払いに関する情報などが記載され、両者がそれに合意した時点で業務が始まります。委託によっては、部外者に内容を口外しないことを課する守秘義務が発生することもあります。
フリーランスとして働く人が業務委託契約を結ぶことは多いのですが、必ず業務委託契約を結ぶというわけではありません。また一般の企業同士でもよく結ばれる契約であり、フリーランス特有のものでもありません。

業務委託契約とはどのようなものか

一口に業務委託と言っても、実際には案件の内容によって、2つの分類があります。「請負契約」と「委任契約」です。

委託契約は請負と委任に分かれます

そもそも法律上では「業務委託契約」という言葉はありません。企業から業務を依頼されて報酬を得る方法として民法で規定されているのは、請負、委任(準委任)、雇用の3つになります。この中で雇用についてはフリーランスとしての働き方ではないため、実際には請負と委任(準委任)の2つのうち、どちらかに当たるものが契約の候補となります。両者を比較すると、請負契約の方が委任(準委任)契約より責任が重い傾向がありますが、契約にそってきちんと仕事をするという意味においては、どちらも同様に大事です。以下では、この2つの契約の違いについて見ていきます。

請負契約とは

請負契約は、約束した期日までに、約束した成果物を納品することで報酬を得られる契約です。目標=「仕事の完成」と言えるものです。当然、その成果物に対する品質が求められます。もし基準に満たない場合は、修正や報酬の減額を受け入れる必要があります。納期に間に合わない場合も同様です。ここで成果物の品質に対して責任を負うことを瑕疵担保責任と言います。また成果物を納期までに納めないと責務不履行責任に問われます。いずれも最悪、訴えられる可能性もなくはありません。

委任契約とは

それに対して委任(準委任)契約は、約束した期間の中で、約束した業務を行うことで報酬を得られる契約です。目標=「仕事の実行」と言えるものです。委任においては納品する成果物はありません。期間が終了したら仕事は終わりで、後から何か作業が発生することもありません。その代わり、仕事中の作業のレベルや従業態度は一定の質が求められ、遅刻などで所定の契約時間を下回れば減額もされることもあります。ここで適当な仕事をした場合は、善管注意義務違反に問われてしまいます。なお、委任と準委任の違いは、法律に関する業務をするかどうかです。関係すれば委任、しなければ準委任となります。

業務委託契約書を作成するメリット・デメリット

企業から業務を受注する場合、一般的には契約書を結ぶことが望まれます。ただし書面の形にすることは、必ずしも良いことばかりではありません。ここでは契約書を作成するメリット、デメリットを解説します。

業務委託契約書を作成するメリット

まずはメリットから述べましょう。最大のメリットは、実際に行う業務が明文化されることです。口頭だけでは曖昧だった部分が、専門家の目で検証されるため、細かいところまで明確になります。これにより双方の誤解や行き違いを未然に防ぐことができます。また、トラブルが起きた時の対応を書いておくことで、実際にそうした事態が起きた場合の解決が容易になります。さらに、あらかじめ禁止行為などを書いておくことで、意図せずして違法行為を犯してしまうリスクも避けられます。
また、契約書を作成しないことによるリスクやデメリットもあります。例えば具体的な書類がなくても事前に十分なやり取りがあった場合、契約自体は有効になります。しかしトラブルが起きた場合などに、その内容を取りまとめようとすると、過去のメールやチャットを掘り返して繋ぎ合わせる必要があります。手間もかかりますし、場合によっては矛盾する内容が見つかるかもしれません。電話や打ち合わせで記録が無ければ言った言わないの水掛け論にもなります。契約書があれば、こうした事を避けられます。

業務委託契約書を作成するデメリット

このようにメリットの多い契約書ですが、ときにはデメリットもあります。契約書を交わした時点で、当然ながら受注者はその内容に従わなくてはなりません。自分にとって大きく不利となる条件が記載されている場合、それを避けることが出来なくなってしまいます。そのため契約書にサインをする場合は、その内容を十分に検討する必要があります。特に請負契約では成果物への評価基準が重要になります。

業務委託契約を結ぶ際の注意点

契約を結ぶ上で確認が必要なのは、まず、契約が請負なのか委託なのかの確認です。自由に時間を使って仕事をすれば良いと思っていたら、実は会社の定時に合わせて働くことを求められる場合もあります。あわせて期間の確認です。請負であれば納品の日時や方法、委託であれば勤務時間や曜日の確認などです。
次にお金についての情報です。いつ、どのような方法で、お金を受け取ることができるのか。また経費として交通費が含まれるのか、消費税の扱いはどうなるか、などです。
契約の有効期限についても確認しなければなりません。交わそうとしている契約がいつまで有効であるのか、また、自動更新が設定されているのか、などについての取り決めを確認しましょう。
トラブルが起きた場合の対応についても確認が必要です。特に請負では、納品が遅れた場合や、結局納品できなかった時の扱いは重要です。また修正を受ける期間や回数、著作権の扱いなども大切なチェックポイントです。もし納得できない部分があれば相談したり、契約書の作り直しをお願いするようにしましょう。
最後に、契約内容に受注する側にとって不利になる事柄がないかをチェックしましょう。発注者と受注者は対等な関係です。そのため、受注者の方が自分にとって不利になる契約を結ぶ必要はありません。

フリーランスと業務委託との違い、請負と委託との違い、書面を交わす際のメリット・デメリットについてご説明しました。業務を始めるときには、落ち着いて契約内容をしっかり確認するようにし、安心して仕事に集中できるようにしましょう。

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