現代の日本では、以前に比べて少しずつ働き方の多様化が進んでいます。パソコンとインターネットの環境さえ整っていれば、どこにいても仕事ができるような時代になってきています。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響もあって、Zoomをはじめとしたオンライン会議やクラウドでの情報共有が普及し、テレワークや在宅ワークをしている人は急激に増えています。

皆さんのなかにも、「保育園に預けることができないから自宅で働きたい」「介護があるから決まった時間に外で働けない」「定年後は自分のペースで働きたい」と外で働くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな方にもフリーランスとしての在宅ワークはおすすめです。
在宅ワークなら、会社へ出勤することもなく、自宅で自由な時間に働くことが可能です。今回はそんな在宅ワークのメリットとデメリットについてご紹介します。

在宅ワークのメリット

自宅で自由な時間に働くことができる在宅ワークにはさまざまなメリットがあり、注目される働き方です。そのメリットとはどういったものでしょうか。具体的にご紹介します。

自由な時間に働ける

業務委託で引き受ける在宅ワークでは「9時~18時」というような勤務時間が決まっていませんので、自分の都合に合わせて空いた時間に仕事ができます。

まとまった時間が取れなくても、家事と家事の合間に細切れに働くということも可能です。育児、家事、介護などと仕事を両立したい方や一日の中でまとまった時間が取れない方には、自由な時間で働けるというのは大きなメリットです。

場所の制約がない

パソコンとインターネット環境があればできる仕事も多いため、場所にとらわれずに仕事ができます。たまには気分転換を兼ねて、お気に入りのカフェで仕事するといったことも可能です。仕事の場所について自由度が高いことも魅力です。
また、家族の転勤や引っ越しなどで住居が変わっても続けて働くことができるというメリットもあります。

通勤の必要がなく、通勤ラッシュのストレスがない

会社までの往復の通勤時間を無駄に感じる方や通勤のときの満員電車にストレスを感じる方も多いと思います。自宅で仕事ができれば、通勤する必要はなく時間が有効に使えるだけでなく、通勤ラッシュのストレスからも解放されます。

また、通勤時の悪天候などにも左右されず、服装・身だしなみなども考える必要がありません。

自分の得意分野が活かせる

自分の得意分野を存分に活かして、自由に仕事をすることができます。在宅ワークに多い仕事にはパソコンを使った『ライティング』や『データ入力』、『テープおこし』などがあります。最近では、パソコンのオンライン通話の機能を使った『コールセンター』の仕事もあります。

『翻訳』『WEBデザイン』『システム・アプリ開発』『ネットワーク管理』など専門性が必要な仕事の場合には報酬も上がります。ライティングの場合でも専門性を必要とする案件があるので、得意分野を持っていると活躍の場も広がります。

成果が分かりやすく、達成感がある

受注から納品まで、一人ですべてこなすため、納品を終えたときには達成感があります。納品で区切りをつけてメリハリを持って仕事をすることができます。

報酬が仕事量に比例して増える

会社勤務の場合、どんなに頑張っても毎月のお給料が変わることは営業などの一部の職種を除いてありません。業務委託で在宅ワークの仕事を引き受けている場合、仕事をすればするほど報酬が増えていきます。

実績を積んだり、新しいスキルを身につけてより高度な案件を引き受けられるようになれば、収入が増えていきます。

集中して働ける

オフィスに出社している場合、誰かに話しかけられたり、電話に出なくてはならなくなったりして、そのたびに集中が途切れてしまいます。在宅ワークの場合、1人で集中して没頭しながら仕事に取り組めます。そのことにより生産性が向上します。

在宅ワークのデメリット

時間や場所に縛られず、自由に働くことができる在宅ワークですが、その反面、弊害や問題点もあります。あとから「こんなはずじゃなかった」ということのないように、しっかりと把握しておきましょう。

作業が長時間や深夜になることもある

好きな時間に仕事ができるというのはメリットでもありますが、決まった勤務時間がないため、ダラダラと作業時間が長くなってしまうこともあります。

納品物の完成度を上げようとして、時間が長くなることもあるでしょう。また、納期に間に合わせるために、深夜まで作業する方もいるでしょう。時間も自分で決められる幅が大きいため、作業時間や時間帯の管理は自分でする必要があります。

社会保険や税金などの手続きや支払いは自分でする

会社に勤務していれば、一定以上の時間働くことで、会社の社会保険へ加入することができます。しかし、在宅ワークで一定の収入がある場合には、国民年金や健康保険は自分で手続きし、管理しなければなりません。

また、会社員の時には当たり前のように天引きされていた税金に関しても、確定申告を行い、自分で納税することになります。源泉徴収や確定申告の仕組みを理解しておかないと、気が付かないうちに多く税金を払ってしまっていることもあるので気をつけましょう。

仕事環境の整備のために自己負担するコストが発生する

自宅で仕事をするためには、パソコンやプリンターなどの機器の購入、維持費用、通信費、光熱費等がかかってきます。

在宅ワークを行う際のコストとして認識しておかなければなりません。インターネットの速度やパソコンのスペックなどはケチって仕事が遅くなってしまっては、本来稼げたはずの金額を失ってしまい本末転倒なので気をつけましょう。

クライアントとのコミュニケーションが難しい

会社にいれば、質問や疑問点は顔を合わせてすぐに打ち合わせができますが、在宅ワークの場合はそうはいきません。クライアントとは電話やメールでのコミュニケーションをとるのがほとんどです。電話やメールの内容を正確に理解しておかないと、納期に間に合わなくなったり、クライアントの希望する形態で納品できなかったりすることもあります。正確、かつ円滑にコミュニケーションを取れるように細心の注意を払わなければなりません。

定期的な収入を確保するには努力が必要

毎月一定の給料が出る会社員と違って、在宅ワークの場合、納品して報酬が発生します。そのため、毎月安定した収入を求めるのであれば、一定の仕事を自分で確保しなければなりません。また、たくさんの仕事をこなすために、ある程度まとまった時間を確保して仕事をしなければなりません。自分から仕事を確保する努力と、それをこなす時間の確保が必要です。

ブログやYouTubeのチャンネルなどを作り、自分のメディアから副収入を得るような方法も在宅ワークではよく話題にあがりますが、楽して稼げるといったようなことは一切ないと考えてください。継続した努力が必要です。

すべてが自己責任である

「パソコンが壊れた」、「停電した」、「自分や家族の具合が悪くなった」など、自分ではどうしようもないアクシデントが発生した時でも、納期は待ってはもらえません。どんな理由でも納期を守れなければ、信用を失ってしまいます。不測の事態が起こった時でも、すべて自分の責任として評価されることを念頭において、仕事をしなければなりません。

運動不足になる

会社に出社しているときには通勤で歩くことになりますし、勤務時間中に打ち合わせのために移動したりと、多少は体を動かすことができます。一方でパソコンを使った在宅ワークの場合、1日中家から出ずに、ずっと座ったままの作業になることも珍しくありません。運動不足が続くと健康に良くないので、体を動かすことを意識しましょう。

モチベーション維持には自己管理が必要

1人で黙々と働いていると、誰かと話しながら仕事するのと比べてモチベーションを保ちにくいことがあります。

毎日安定して仕事をし続けるには、自己管理が必要です。朝に出社しなくてよいからという理由で夜ふかしをして、朝寝坊して昼くらいまで寝ているといった生活にならないようにしましょう。

家族の理解や静かな環境が必要

オフィスで働いているときと違って、家族とずっと一緒にいることになります。家の中に静かな環境を確保させてもらうために家族の理解が必要です。たとえば小さな子どもがいるなら、子どもが部屋に入ってきたり、頻繁に話しかけてこないようにするための対策が必要でしょう。

オンライン会議やコールセンターでの通話など、ほかの人と音声をつなぐ仕事をする場合には、特に静かな環境が大切です。

まずは無理のない範囲ではじめてみましょう

いかがでしたか。社会保険や税金などデメリットもありますが、好きな時間に好きな場所で働けることは大きなメリットです。

育児や介護のため外で働くことが難しいと思っていた方も定年後にのんびり働きたいと思っていた方も、まずは少しずつ無理のない範囲ではじめてみてはいかがでしょう。『働けない』と諦める前に、ぜひ在宅ワークにチャレンジしてみてください。

こちらの記事もあわせてご覧ください。

在宅ワークで心掛けるべき必須5箇条 – かくたまブログ

Webライターや校正者としてのお仕事に興味のある方は以下からご連絡ください。
在宅フリーランスライター募集

言葉には、話し言葉と書き言葉の2種類の言葉があります。
日常会話で何気なく使っている話し言葉で作文すると、フランクで軽い印象の文章が出来上がります。一方で、文法をしっかりと押さえて書き言葉で作文すると、堅実で重い印象の文章になります。
これらの話し言葉と書き言葉の混在した文章は違和感があり、読みにくいものになってしまいます。読んでいて気持ちのよい文章を作成するためにも、話し言葉と書き言葉の違いをきちんと押さえておきたいところです。
そこで、話し言葉と書き言葉の違いとそれぞれの特徴をご紹介します。さらに読み手を意識した言葉の使い分けのポイントと、注意するべき表現について解説します。

話し言葉と書き言葉の違い

会話をするとき、話の内容について考えることはあっても、文法などを気にしながら話すことはあまりないでしょう。会話では素早い意思の伝達や感情の共有が求められるため、話し言葉はくだけた表現になりやすく、単語の順番が乱れがちになるなど、文法的に適切ではない表現も多く聞かれます。会話の内容をそのまま文字に起こすと、違和感を持つこともあるのではないでしょうか。

近年はブログやSNSの普及により、話しかけるような言葉遣いの文章をよく見かけます。親しい人へのメールなども、文の構成を気にせずにおこなう方が多いのではないでしょうか。
一方で、学校のレポートを書くときや会社で報告書や企画書を作成するときは、書き言葉による硬い表現で端的に文章を書くことがよしとされています。これらの文章では、誤解されることなく要点を正確に伝えることが求められます。そのため、書き言葉は飾り気のない淡白な表現になりやすいです。

話し言葉と書き言葉はそれぞれに求められる役割が違いますので、シーンによって使い分けなければなりません。以下に、それぞれの言葉の特徴を紹介します。

話し言葉の特徴

話し言葉は、物事を音声で伝えるための言葉です。「話す」という行動を伴う言葉ですので、使い勝手が重視されます。具体的には下記のような性質があります。

・くだけた表現が多い。
・一文が短い。
・方言が混ざることがある。
・倒置など、言葉の順序の入れ替わりが起こりやすい。
・柔らかい表現や感嘆詞が使われる。

会話には相手があり、止めどなく進行していきます。よって、話し言葉は効率化されていることがあります。たとえば、「縮約形」と呼ばれる表現を挙げると、「言っておく」が「言っとく」、「やってしまう」が「やっちゃう」などといった、単語の母音や子音が脱落した表現があります。普段の会話で無意識に使っている言葉が多いので、文章を書くときにも自然と出やすく、気づきにくい表現も多くあります。
話し言葉はくだけた言葉や柔らかい表現で綴られますので、共感を誘ったり、訴求力のある文章を作成したりするときに有効です。

メリット

・直感的に理解しやすい。
・躍動感のある文章になる。
・読みやすく、人の目にとまりやすい。

デメリット

・文法的に間違っていることがある。
・省略語があるなど、誤解を招きやすい。

書き言葉の特徴

書き言葉は、物事を文字で伝えるための言葉です。リアルタイムのやり取りはできないため、言いたいことを正確に伝えることが重視されます。具体的には下記のような性質があります。

・硬い表現が多い。
・比較的一文が長い。
・方言は使われない。
・文法に則って書かれ、省略語などはあまり使用されない。
・断定などの明確な表現が使われ、淡白な文章になる。

書物や報告書などの文書は書き手側からの一方的な情報提供ですので、読み手に誤解が生じてしまっても訂正できません。その反面、一度書かれた文書は繰り返し読み返すことができますので、効率性よりも正確性が必要になります。
書き言葉は硬い言葉と一般的な表現で綴られますので、読み手の層が絞れないときや、誰が見ても理解できる文章を作成するときに有効です。

メリット

・読み手の層を選ばない。
・誤解を招きにくい。

デメリット

・淡白で趣の薄い文章になる。
・比較的難しく理解に時間がかかることもある。

具体的な例一覧

書き言葉と話し言葉の具体的な例と対比について、下記URLをご参照ください。

Massachusetts Institute of Technology 書き言葉レッスン資料

文章を書く際の使い分け

話し言葉と書き言葉は、それぞれに重視されていることが違います。文章を書く際には、ターゲットとなる読み手の層を意識して、話し言葉と書き言葉をうまく使い分ける必要があります。
以下にそれぞれの言葉に適した文章の具体例を挙げます。

書き言葉を使うべきケース

書き言葉は正確性に長けた表現です。誤解の許されない公文書や報告書、論文などを書く際には書き言葉を使用してください。また、話題の背景を共有できないような不特定多数の方に読まれる文章についても、書き言葉を使用してください。会社員の方であれば、他社の方へのメールも書き言葉を使ったほうがよいでしょう。
さらに報告書や企画書などの場合は、要点に的を絞って簡潔に書くことを意識してください。感嘆詞などの感情表現や感想は挟まず、上司や同僚が書類を読む時間をなるべく短くする気遣いが必要です。

話し言葉を使えるケース

話し言葉は、読み手の層が明確であり、キャッチコピーなどのように他者への訴求力が求められる文章を書く際に使用してください。小説の執筆やブログなどでの情報発信の際にも、人の目にとまりやすい話し言葉を使用したほうが効果的です。
逆に上記のような場合では、書き言葉による硬い文章では内容がよくても魅力に欠け、読まれにくくなります。

混在させないための注意点

話し言葉は、文章を書く際にも自然と出てきてしまうものです。話し言葉と書き言葉が混在しないように、ついつい出てしまいがちな注意した方がよい話し言葉の例を以下に挙げますので、ご参考ください。

飾りつけの表現

話し言葉の中には、文章の要点を伝えるためにはそれほど必要ではない表現があります。たとえば、「~のほう」「~という形」「~に対して」「~自体」という表現はご注意ください。また、「~になります」とはよく聞く表現ですが、英訳したときに「become」とならない場合は不要な言葉です。

短縮表現

伝達の効率性からか、話し言葉には端折られた表現が多くあります。特に文の先頭に「結果」「基本」「なので」がくるのは、書き言葉としては適切ではありません。「その結果」「基本的には」が書き言葉です。「なので」は、文をつなげる言葉であり文頭にくるものではありません。

ぼかした表現

「~みたいな」「~な感じ」「~かな」といった、逃げ道を残すような表現も、書き言葉には不適切です。
「~とか」「~たり」「~的には」などのぼかしの表現にもお気を付けください。「~たり」は、同列のものを併記するときに繰り返して使用する言葉であり、単独で使用するものではありません。

本来の意味から外れた表現

年齢を言うときの「つ」や、「はまる」「気になる(「注目する」の意味で使う場合)」「そこまで(「それほど」の意味で使う場合)」という表現も書き言葉としては不適切です。それぞれ、「歳」「凝る」「注目する」「それほど」と書きましょう。

記事作成をするときに、ライターや校正者によって表現のブレが出てしまうのを避けるために、Webサイトごとにレギュレーション(執筆のルール)を決めておくのをおすすめしています。

以下の記事と動画にどのようなことに注意して執筆ルールを作ればよいかを掲載していますので参考までにご覧ください。

Webライティングのルール・レギュレーションの作成方法 [記事執筆の品質を上げるコツ]

かくたまブログは、サイトエンジン株式会社が運営するWebライター応援メディアです。
オウンドメディア や自社サイトの運用に悩むディレクション担当者やライターの悩みを減らすための情報をお届けしています。