外部の有識者から話を聞き、記事にまとめるインタビューライティングは、企業にとって外部委託しやすい案件です。したがってフリーのライターには「狙い目」のジャンルと言えます。一方で新人ライターにはノウハウが得にくく、苦労の多い領域でもあります。この記事では、インタビューに先立ち、用意しておくべきものについてまとめました。

名刺

インタビューは、まず名刺交換から始まります。最低5枚は用意しておきましょう。現場では、インタビュイーご本人にお渡しするだけではなく、秘書、広報担当者、仲介人など、複数の方にご挨拶することとなるケースが多いからです。自前の名刺を使う場合は、ユニークなタイプと無難で手堅いものの2種類を用意しておくのがおすすめです。個性的な名刺は、スムーズに会話へ移行するツールとして役立ちます。一方、まじめな方の場合は、ビジネスライクな名刺を使った方がよいでしょう。場の雰囲気で使い分けます。

名刺が無い場合は

急な依頼である場合や依頼元から「うちの社員として出向いてほしい」と言われた場合など、名刺が間に合わないこともあります。その際は「ただいま名刺を切らしておりまして」で通しましょう。実のところインタビューの前に、メールを交わしているケースが大半なので、名刺が無くとも実務的な不都合はまずありません。

時計

時間を適切に配分することも、インタビュアーの仕事の一つです。伺った先に時計があるとは限らないので、自前のものを必ず持参しましょう。おすすめは腕時計です。メモをとる際視界に自然と入るので、コンスタントに時刻をチェックできます。スマートフォンを時計として使用するのは、あまりおすすめしません。スマホは録音や情報検索など別の用途で必要となることが多いからです。また、スマホに気を取られているように見えると、悪印象を与えてしまいます。

ボイスレコーダー(録音機器)2つ

録音は必ず、2個以上の機器で行いましょう。録音ボタンが押されていなかった、電池が途中で切れた、録音機にお茶をこぼされた等、予期せぬトラブルは意外とあるものです。録音機器が1個しかない場合は、スマホの録音アプリを併用するとよいでしょう。どうしても1個でしか録音できなかった場合は、インタビュー直後にすぐバックアップを取る等、データの保全に努めるべきです。クライアントから後日「録音データも欲しい」と言われたり、インタビュイーに「こんなことを話した覚えはない」とクレームをつけられたりなど、録音データが必要になるケースは割とあります。

ノートとペン

録音していても、要所はメモをとりましょう。インタビューの時系列が一目で分かるため、書き起こしや記事執筆の際に所要時間を短縮できます。相手方に「しっかり聞いている人だ」という好印象を与える効果もあります。また、複数の人が発話した場合だと、後で録音を聞いた際、内容が聞き取れなかったり発話者が誰か分かりにくかったりすることが結構あります。声がかぶった時や座談会の場合は、誰が何を話したのかしっかりメモしましょう。

取材依頼のメールや資料は印刷して持参!

相手方もこちらも、日々多くのインタビューをこなしているものです。インタビューの直前には、やりとりしたメール等を見返し、「相手方/用件の取り違え」が万が一にもないよう確認しましょう。また、交わしたメールや関係する資料は、やはり紙ベースで持参する方が好都合です。インタビュイーに、「どんなメールを頂いてましたっけ?」と問われることはよくありますし、また相手にお見せする場合は、スマホやタブレットより紙の方が断然スムーズです。

撮影がある場合は身だしなみグッズ必須!

たいていのインタビューでは、写真撮影も行われます。その際、あるとよいのが手鏡です。インタビューは多くの場合、お茶等を飲みながら行われますし、また照明や暖房で意外と汗をかきます。そのためインタビュー終了後に「では撮影を」と申しあげると、ふっと不安げになる方もいらっしゃいます。特に女性や企業トップなど、見た目のイメージを気にされる方にこの傾向があります。そういう時「鏡をごらんになりますか」とお見せすると、安心されて表情がぐっとやわらぎ、よい写真が撮影できるものです。10センチ四方ほどの鏡を持参しておくとよいでしょう。

見た目をまったく気にされない方の場合

逆に、見た目をまったく気にされないインタビュイーもいらっしゃいます。この場合、あるとよいのが「使い捨てのくし」です。写真が見苦しい感じに撮れてしまうと、記事のクオリティにかかわりますし、後日、秘書の方やクライアントが苦情を言ってくることもあります。髪を整えていただくだけで印象がまったく変わりますので、くしを使っていただきましょう。

リップクリーム

インタビューの際、ライターはとにかく多く話さねばなりません。出会い頭の挨拶から話中の相づち、最後のお礼の言葉まで、用件だけでなくコミュケーションのために、臨機応変によどみなく話す必要があります。そのため役立つのがリップクリームです。インタビュー直前に一塗りしておくと、口の動きの滑らかさが違います。また唇の艶は、第一印象を大きく左右します。俗に「人の印象は第一印象で決まる」等と言われますが、インタビュアーはまさに一期一会の仕事です。出会った瞬間に好印象を持っていただけなければ、相手の口がほぐれることはない、と覚悟しましょう。できればインタビュー直前にリップクリームと目薬を使い、いきいきした目・唇を演出したいところです。

あわせて以下も参考にしてください。
インタビュー・取材の依頼方法 アポイントメントを取るメールの書き方や電話のかけ方 – かくたまブログ

副業としても人気のwebライティング。在宅でできる仕事として、取り組んでみたいと思う方も多いお仕事です。気軽に始める方が多いのですが、お金をもらう限り、プロのライターとして働くわけですから、「初めてだから」「なれていないので」といった言い訳は通用しません。

報酬に見合ったクオリティの原稿を納品できなければ、クライアントの信頼を失い、仕事を続けることは難しくなってしまいます。まずはどのように文章を書くのか、をよく学んでから取り組むようにしましょう。そこでWebライティング初心者の方が文章力を上げるためにおすすめの本をご紹介します。

参考になるWebライティング本の選び方

初心者の場合は、まず記事の書き方に関する情報が多い本を選ぶようにしましょう。いくら細かいテクニックを覚えても、肝心の基礎が出来ていないと正しく活用することができません。

タイトルに「基礎」や「初心者」が入っているものをAmazonなどで検索すれば、すぐに候補を探せます。文章の書き方の基礎が分かったら、次はSEOに関して勉強しましょう。SEOは検索エンジンに評価されるための文章術で、これをマスターしないと検索で読者に見つけてもらうことが難しくなります。

Webライティングの初心者に読んでほしいおすすめの本5選

ライティングの経験の浅い初心者におすすめしたい書籍を5冊紹介します。

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング(できるビジネス)

唐木 元 (著)
出版社: インプレス
https://book.impress.co.jp/books/1114101132.php

この本は、もともとWEBメディアとして有名な「ナタリー」の初代編集長が、自社の未経験ライターに行っていたトレーニングをまとめたものです。初心者であってもWEBサイトに求められる文章作成術を体系的に学べます。文章を作るために必要な構成の組み立て方から、書く前にしておく準備、さらに書いた後に推敲して質を高める方法まで、これ一冊あればひとまず十分と言えるほどの内容です。

20歳の自分に受けさせたい文章講義

古賀 史健 (著)
出版社: 講談社
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000025367

タイトルに「20歳の」とあるように、大学生であったり社会人であったり、いずれにしてもある程度は自分の考えを持てるものの、それをうまく表現することに苦労している人を想定して書かれた本です。ドラマにもなった「嫌われる勇気」のライターさんが、文章の構成をはじめ、リズム感や接続詞を上手く用いた質の高い文章の作成術を教えてくれます。

伝え方が9割

佐々木 圭一 (著)
出版社: ダイヤモンド社
https://www.diamond.co.jp/book/9784478017210.html

同じ事を伝えようとしても、伝え方によって相手の感想はYESにもNOにも変化します。これは「いったいどのように伝えれば、相手にYESと言ってもらえるのか?」をテーマに書かれた本です。自分の思っていることをそのまま言葉にするのではなく、相手の思っていることを想像し、相手にとってのメリットと一致するような伝え方を探すというアドバイスがなされています。

文章力の基本

阿部 紘久 (著)
出版社: 日本実業出版社
https://www.njg.co.jp/book/9784534045881/

基礎力を上げるために使える、問題集のような一冊です。ライティングをする上でやってしまいがちな間違いを、例文と改善案の1セットで正してくれます。その内容としては「てにおは」の正しい使い方や、カッコや句読点、文法など、分かっているようで理解のあいまいな部分が全部で77つ。図解やイラストも使って分かりやすく説明されているので、初心者の方には非常に勉強となるでしょう。

頑張ってるのに稼げない現役Webライターが毎月20万円以上稼げるようになるための強化書

吉見夏実 (著)
染谷昌利 (監修)
出版社: 秀和システム
https://www.shuwasystem.co.jp/book/9784798051390.html

こちらは既に実際にライターとして活動しているものの、なかなか売上が増えない人に向けて書かれた本です。この本では「どうして稼げないのか?」という疑問について、「発注者が求める原稿になっていない」など5つの原因に分け、それぞれに対策方法を明かしています。今よりステップアップしたい人におすすめです。

SEOライティングスキルを高めたい方におすすめの本5選

上記の書籍で基礎的な能力を獲得したら、次はいよいよWEBライティングに必要なスキルの上級編です。ここではSEOの知識や具体的な文章テクニックの獲得に役立つ5冊を紹介します。

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—〈SEOのためのライティング教本〉

松尾 茂起 (著)
出版社: エムディエヌコーポレーション
https://books.mdn.co.jp/books/3216203005/

これまでの本とは趣が異なり、漫画をベースにしたストーリー仕立ての解説本です。600ページ以上の大ボリュームで、ライティングの基本に加え、SEOの重要性や、取材をする時のノウハウなど、実践的な内容が幅広く紹介されています。網羅されている範囲の広さが特徴ですが、各章ごとにまとめがあり、そこでさらに理解を深めることができます。WEBライティングの全体像を掴むことができるので、まずはこの本を読破して、その上で分野ごとの専門書を読むのがおすすめです。

「言葉にできる」は武器になる

梅田 悟司 (著)
出版社: 日本経済新聞出版社
https://www.nikkeibook.com/item-detail/32075

「バイトするならタウンワーク」、「世界は誰かの仕事でできている(缶コーヒージョージア)」などを手がけたコピーライターの方が、人の心を動かす言葉の作り方を教えてくれます。前半では、自分の中にある思考やイメージをどのように言葉にするのか、そのプロセスが語られます。そして後半ではその言葉を磨き上げていくテクニックを、自身が作った広告のコピーや過去の有名な事例を使いながら解説されます。見出しやタイトルで差を付けたい人にもおすすめです。

Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで (WEB PROFESSIONAL)

林千晶 (著), 中野克平 (著), 井上果林 (著), 小川治人 (著), 君塚美香 (著), 中田一会 (著), 吉澤瑠美 (著)
出版社: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
https://www.kadokawa.co.jp/product/311780200010/

基礎からSEOまで、一気に無駄なく勉強したい人におすすめの本です。タイトル通り「実践」できることを重視しており、起承転結など、文章の「型」を有効に使った作成術が紹介されています。商品説明用の文章や、プレスリリースを打つ際の文章なども、それぞれの基本となる「型」を元に説明がされているので、自分でも再現しやすくなっているのが特徴です。また検索エンジンから集客する場合と、ソーシャルメディアから集客する場合では見出しの作り方が異なるなど、ひたすら実践的な内容です。

どう書いたらいいの?!がなくなるWeb文章の書き方

下良 果林 (著)
出版社: ごきげんビジネス出版
amazon.co.jp

単に文章の分かりやすさだけではなく「売れる」文章に注目したのがこの本です。実際に大手企業の通販サイトで商品紹介を行っていたライターの方が教える文章術で、見た人を引きつけるためのタイトルや見出しの作り方、本文の書き方を基礎編で紹介しています。そして応用編では、通販サイト、ブログ・SNS、メルマガなど、媒体や状況ごとに効果のあるノウハウを公開。フリーのライターはもちろん、企業のWEB関係の担当者にも役立つ内容となっています。

SEOに強いWebライティング売れる書き方の成功法則64

ふくだ たみこ (著)
出版社: ソーテック社
http://www.sotechsha.co.jp/pc/html/1144.htm

SEOをテーマに、集客と成約をアップさせることを目的にした一冊です。64通りもの切り口で売れる法則を紹介、法則ごとに例文と、それに対する改善策が示されています。基本的なライティング技術がある前提で、検索結果に上位表示のためのキーワードの選定方法、有益なコンテンツの設計方法、制作チームの運営、伝える書き方、買わせる書き方など、WEBサイトを運用していく視点で必要な要素を幅広く収めています。

ライティングに関する書籍はたくさんあります。深く読み込み実践することで、技術の向上に役立ちます。まずはしっかりとスキルアップをして、クライアントの信頼を勝ち取れる文章を作成できるようにしましょう。これらの本で学習したあとは、ブログやnoteなどに記事を書いて、実践しながら新しい書き方に慣れていくことをおすすめします。

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