個人でビジネスを立ち上げようと考えている場合、「スモールビジネス」が選択肢の一つとなるかもしれません。近年、働き方が多様化する中で、スモールビジネスはリスクを抑えながら低コストで起業できることなどから注目を集めています。

この記事では、スモールビジネスの例や始めるメリット、成功させるためのポイントなどを解説します。事業の立ち上げを考えているなら、スモールビジネスのアイデアや始め方などについて知識を身に着けておくと役立ちます。

そもそもスモールビジネスとは？

スモールビジネスとは、簡単に言うと小規模で始められる事業のことです。厳密な定義はありませんが、一般的には従業員5人以下の事業を指します。

スモールビジネスに該当するのは、個人事業主やフリーランス、小規模事業者などです。スモールビジネスは個人の裁量が大きく、個々のスキルや時間、選択などが報酬を大きく左右するという特徴があります。

スモールビジネスはしばしば、「スタートアップ」や「ベンチャー」と混同されますが、スタートアップやベンチャーは新たなビジネスモデルを確立し、新規市場を開拓することに重点を置いています。一方、スモールビジネスは主に既存市場で事業を展開する傾向があります。

スモールビジネスで事業を始めるメリット

スモールビジネスで小さく事業を始めることには、さまざまなメリットがあります。

少ない資金で開業できてリスクが少ない

小規模事業であるスモールビジネスなら、初期費用やランニングコストを抑えて開業することが可能です。業種によっては、資金ゼロから始めることも不可能ではありません。

少ない資金で開業できるため、事業が失敗したときの損失も少なく抑えられます。そのため、リカバリーが比較的容易であり、予想外の事態にも対応しやすく、事業を立て直すことが可能です。これにより、事業継続の可能性が高まります。

働き方の自由度が高い

1人または少人数で行うスモールビジネスは、時間や場所の制約なく働けることもメリットです。就業時間や場所、業務内容、業務量などは自分で決めることができ、業種によっては在宅勤務やリモートワークも可能です。

副業として少しの時間だけ働くことや、子育ての合間に自宅で働くことなど、働き方の自由度が高く、ワークライフバランスを実現しやすくなります。

個人の裁量が大きくやりがいを感じやすい

スモールビジネスは、個人が多岐にわたる業務に携わることから、スキルアップの機会が豊富です。個人として知識や経験を積み重ねて成長できるため、やりがいを感じられます。

さらに、スモールビジネスでは個人のスキルアップが事業の成長に直結しています。自身の成長により事業が発展し、収益や報酬が増えていく様子を見ると、さらにやりがいを感じることでしょう。

人間関係の悩みが少ない

1人またはごく少数の従業員で行うスモールビジネスは、人間関係のトラブルが少ないこともメリットとして挙げられます。

自分が誰と働くか、誰と取引をするかは自己裁量で決められるため、働きやすい環境を自分で作り上げることが可能です。このため、厳しい上司や勤務態度の問題を抱えた同僚への対応に悩む必要がありません。

スモールビジネスの例10選！参考になるアイデアの一覧

スモールビジネスとして始められる職種には多くの選択肢があります。以下にいくつかの仕事を紹介します。

1.ライター

自由度の高い働き方をしたい人におすすめなのが、ライターです。すき間時間を利用してどこからでも働けるため、副業や完全在宅で働くことも可能です。

ライターが執筆するのは、ブログやWebコンテンツ記事、コラムなどさまざまです。文章力があり、特定の分野で経験や資格などがあれば、単価の高い案件も受けられます。

2.アフィリエイト

アフィリエイトは、Webサイトやブログ、メルマガなどで特定の商品を宣伝し、その媒体を経由して商品が購入された場合に報酬を受け取れます。

すでに多くのユーザーに読まれているブログを運営している人や、SNSのフォロワー数が多い人などは、収益化までの時間を短縮できます。商品を仕入れる必要がなく、初期費用もほとんどかからないことなどがメリットです。

3.システム開発・プログラミング

システム開発やプログラミングも、個人や少人数での事業運営に適しています。IT関連のスキルがあれば個人でも仕事を受けやすく、在宅で働くことも可能です。

ITやWeb関連の仕事は今後も引き続き需要が高いことが予想されており、IT人材は広い分野で必要とされています。Webサービス開発やアプリ開発、ゲーム開発など、具体的なビジネスモデルはさまざまです。

4.デザイナー

グラフィックデザイナーやWebデザイナーも、スモールビジネスと相性の良い職業です。

求められるスキルは、デザインに関するスキルやデザインソフトを扱うスキルなどです。Webサイトのデザイン制作をする場合は、コーディングやSEOの知識も求められます。

5.コンサルタント

就職や恋愛・結婚、言語習得など、特定の分野で他人にアドバイスできる程度の知識や経験があるなら、コンサルタントになるのもおすすめです。悩みや課題を抱えている人へのヒアリングを実施し、ニーズに合ったコーチングやアドバイスをして実際的なサポートを提供します。

オンライン会議システムを活用すれば、自宅からでも働けます。

6.パーソナルトレーナー

フィットネスが趣味なら、パーソナルトレーナーとして起業してみるのはいかがでしょうか。パーソナルトレーナーとはマンツーマンで運動指導や栄養指導を行う仕事で、オンラインでサポートを提供することも可能です。

パーソナルトレーナーになるのに必須の資格はありませんが、スキルを証明するために民間の資格を取っておくのも良いでしょう。

7.翻訳

言語に長けているなら、翻訳サービスの提供が可能です。医療や金融、ITなど需要が大きい分野に関する知識があれば、その分野を専門とするクライアントからの案件を受けやすくなります。

近年はITによる翻訳が可能になっていますが、クライアントの意向をくみ取りながら正確さや読みやすさを追求して文章を翻訳できる人材は引き続き求められています。

8.ハンドメイド作品の販売

ハンドメイドが得意なら、完成した作品を販売してビジネスにすることもできます。洋服や小物、アクセサリーなど得意なジャンルがあれば、世界観を確立してアピールしながら売り出すと良いでしょう。

販売するプラットフォームは、フリマアプリやハンドメイド専用のマーケットアプリなどを利用できます。工芸品やアートなどを販売することも可能です。

9.家事代行

共働き家庭の増加に伴い、家事代行サービスの需要も高まっています。家事代行で提供するサービスは、料理、洗濯、アイロンかけ、掃除、買い物などです。

「ビジネスを起こすほどのスキルは何も持っていない」と思っている人も、家事代行サービスなら日常的な家事スキルがあれば始められます。毎日の生活に密着したサービスのため、継続して依頼してくれるリピーターを獲得しやすいことがメリットです。

10.ECサイト運営

実店舗ではなくECサイトを運営して商品を販売するという手もあります。ECサイトなら、実店舗よりも初期費用や人件費を大幅に抑えられます。

ECサイトを運営するなら、ネットショップサービスを利用すれば必要事項を入力するだけで簡単にショップを開設でき、とても便利です。商品が購入された場合にのみ手数料がかかるサービスが多いので、リスクを抑えて運営できます。

スモールビジネスの始め方は？

スモールビジネスを始める際には、最初のステップとして参入する分野を選ぶことが重要です。分野が決まらない場合は、自分の経験やスキル、得意なことなどを棚卸ししてみましょう。これまでの職歴や学んだ学問、取得した資格などから、どのような分野でビジネスを展開できそうか検討します。

参入分野が決まったら、事業を始めるために必要な資金を計算し、準備を整えます。スモールビジネスでも、初期費用を抑えながら開業するためには、十分な資金計画が不可欠です。事業運営にどれくらいの資金が必要かを想定し、自己資金を貯めておきましょう。

次に、市場調査をしながらビジネスプランを練ります。事業の目標や戦略を明確にし、開業後の方向性を定めましょう。資金調達をする際には、融資や出資を受けるために事業計画書の提出が必要になるので、このステップは非常に重要です。

準備が整ったら、個人事業主として活動するか、法人を設立するために必要な手続きを進めます。事業の内容によっては、事前申請や許認可の取得が必要になる場合があります。

スモールビジネスを成功させる3つのコツ

比較的開業しやすいスモールビジネスも、事業を軌道に乗せて成功させるのは決して簡単なことではありません。スモールビジネスを成功させるために、以下の3つのコツを押さえておきましょう。

1.ニーズがある分野を選ぶ

開業する分野を選ぶ際には、需要が高く成長が見込まれる分野を選ぶことが重要です。どれだけビジネスのアイデアや計画が優れていても、需要がなければ収益にはつながりません。スモールビジネスとして参入できても、事業を継続させることは難しくなってしまいます。

成功させるためには、参入したい分野が決まった段階で、市場規模や競合の有無などを調査してニーズを探ることが大切です。調査段階でニーズが低いか、採算が取れない可能性がある場合は、ビジネスプランを見直す必要があります。

2.得意なことを仕事にする

自分が持っているスキルや専門知識を活かして、得意分野を仕事にすることも大切です。もちろん、新しい分野に参入し学びながら収益を得ることも可能です。しかし、自分の専門分野や得意分野を選んでおくと、すでに持っている知識や経験を活かせるので、収益化までにかかる時間を短縮できます。自分の強みを発揮して報酬につなげられることで、仕事の楽しさややりがいも感じやすいでしょう。

3.インターネットを活用して集客する

スモールビジネスは、他の企業と比較して知名度や宣伝広告にかけられる予算が限られていることが多いため、集客が課題となります。しかし、インターネット上のメディアを活用することで、宣伝広告費をかけずに効果的に集客できます。

例えばブログやホームページを運営し、SEO対策やコンテンツマーケティングを行うことで、検索エンジンからのアクセスを増やすことができます。また、SNSを活用して顧客ターゲット層とのコミュニケーションを図りながら、新規ビジネスやサービスについて広めることも有効です。

まとめ

副業からでも始められるスモールビジネスは、リスクを抑えながら開業できるのが大きなメリットです。特定の分野で知識や経験があり、それを活かして働きたいと思っているなら、スモールビジネスを始めてみると良いでしょう。

自宅で簡単に始めたいなら、ライターやコンテンツ制作がおすすめです。パソコンとインターネット環境があれば働くことができ、初心者や未経験者でも挑戦できます。「かくたま」ではコンテンツ制作に携わるライターを募集しているので、興味がある人はぜひ応募してみてください。