Webライターとして活躍する人が増えています。同時に、Webライターが修得しておきたいスキルや資格への関心も高まりました。
スキルは手がけた仕事の成果を左右し、クライアントの評価に影響を与えるものです。資格は自分の能力をアピールしやすいことや、クライアントがライター選定時に参考にする可能性があるなど、持っていて損はありません。
この記事では、Webライター向けのスキルや資格について詳しくご紹介します。
Webライターに求められるスキル
Webライターは公的な資格やスキルを持っていなくても始められる仕事です。「Webライターになるためには、必ずこのスキルや資格を身につけなくてはならない」という断言はできません。スキルや資格はクライアントに能力や得意分野をアピールし、仕事の獲得につなげる要素だと考えても差し支えないでしょう。
ただ、身につけておけば便利なスキルや資格がいくつかあることも確かです。中には同業者と差をつけ、クライアントから注目されやすくなることもあります。
基本的なPCスキルは必須
WebライターはPCを使ったコンテンツ作成が仕事の大多数を占めることになります。基本的なPCスキルや、webライティング業界で使われるツールを使いこなすスキルは必須だと考えておくべきです。
原稿作成ツールのスムーズな利用
PCスキルといっても、エンジニアのような高度な専門知識が求められるわけではありません。得意分野がITやエンジニア関連であれば別ですが、そのような人はすでに一通りのスキル、あるいは知識を身につけていることが多いはずです。
そうではないWebライターなら、まずは文章を書く基本的なツールを使いこなせるようになりましょう。メモ帳、ワード、そのほかのツールの中から「操作に戸惑わず文章が作成できる」と思えるような、自分に合ったものを見つけてください。
「自分に合ったもの」が重要です。迷わずに操作できるツールを使いこなせば、コンテンツ作成の大幅な効率化が可能になるためです。
余裕があれば複数のツールを学んでおきましょう。クライアントによっては指定のツールによる納品指示があったり、独自システムを使ったコンテンツ作成が求められたりします。
ツールの知識や操作経験を増やすことにより、このようなクライアントとも縁が生まれるかもしれません。シンプルに言えば「仕事が増える可能性がある」ということです。
「○○(ツール名)での納品希望」といった指示に対応できるよう、複数のツールを勉強しておきましょう。
SEOの理解と対応スキル
多くのWebライターはSEO(検索エンジン最適化)を意識したライティングを手がけます。web記事では、SEOが重要視されることが多いためです。SEOを意識したマーケティング戦略をSEO対策と呼ぶこともあります。
SEO対策の目的は、検索エンジンでの表示順位を向上させ、記事の閲覧数を上げることです。読者が求める情報をコンテンツに盛り込み、検索エンジンで検索した時、検索上位に表示されるような質の高い記事(コンテンツ)を作成する必要があります。
そのためには特定のトピックやテーマに関連する適切なキーワードをリサーチし、そのキーワードを元にコンテンツを作成しなくてはいけません。
このキーワードリサーチスキルと、キーワードを活かしたコンテンツ作成スキルを持ったWebライターは、スキルを持たない同業者よりもSEO対策に長けていると判断されます。実際、ポートフォリオに「Google検索○位の実績あり」など、過去の実績アピールにしているWebライターも少なくありません。
これらは、Webライターにとって重要なスキルと言えるでしょう。
正確なリサーチ能力
Webライターが作成する記事は、いわば情報のかたまりです。読者が知りたいと思った情報をコンテンツとして構成して提供し、「役に立った」「疑問が解決した」「楽しかった」などの満足感につなげられる質の高さを保たなければいけません。
読者の満足感が大きければ、コンテンツが掲載されているサイトの信頼度や評価が上がり、SEOで上位が狙えるようになります。
質がよく、読者から信頼されるコンテンツの作成には「正しい情報」が必要です。不正確な情報で構成された記事は、記事で不快な思いをした人や不利益をこうむった企業とのトラブルにつながる恐れがあります。
そのため、コンテンツを作成するWebライターには「リサーチした情報から正確性が担保できるものをピックアップし、信頼できる記事を書く姿勢」が求められます。一次資料や二次・三次資料の見分け方、活用の仕方などを身につけ、コンテンツを作成することが大切です。
得意分野を持つ
得意な分野を持つことも、Webライターの強みになります。「この分野を任せてもらえれば、誰よりもよい記事を書ける」「この分野の知識なら誰にも負けない」といった分野があれば、積極的にアピールしていきましょう。
また、得意な分野であればリサーチした情報の正確性の担保にも自信が持てます。読者が知りたい情報の選別もしやすくなり、文章に説得力が生まれることが大きなメリットです。さらに、クライアントからも「この人に任せれば質の高い記事ができる」と信頼される可能性が高まります。そこから継続案件や他の案件につながっていくことも考えられます。
ニッチな分野や専門性の高い分野で対応できるライターが少ない場合、報酬が上がることもあります。
Webライター向けの資格
Webライターになるために必要な資格はありません。しかし、持っていれば自己PRやクライアントのライター選定時に役立つ資格もあります。
また、試験勉強を通して自分の知見を広げたり、スキルアップにつながったりといったメリットも見逃せません。必要だと感じた資格を積極的に取得し、Webライターとしての価値を高めることは、キャリアの中で決して無駄にならないはずです。
WEBライティング技能検定
Webライター初心者に限らず、すでに現役で活躍するWebライターにもおすすめの資格が「WEBライティング技能検定」です。「ヒューマンアカデミー通信講座」の認定取り扱い講座で、「日本クラウドソーシング検定協会」によって運営されています。
Webライティング技能検定は民間資格ですが、Webライターの需要が高まる昨今、無視できない資格になったと言っても過言ではありません。webライティングを仕事とするために必要な基礎知識、文章作成技術に加え、ビジネスマナーも重視した試験内容になっています。
合格者は「Webライティング実務士」になり、複数の大手クラウドソーシングサイトで優遇される特典が付与されます。また、一定のスキルを持つWebライターとしての自己PRに役立てられることも大きなメリットです。
試験の回数は比較的多く、1ヶ月に1度、オンライン試験が開催されています。web上で行われるため、全国のどこに住んでいても受けられる試験です。受験料は6,000円、時間は90分になっています。
ライティング技能の向上やスキルの証明方法が欲しい人、合格者特典が欲しい人におすすめの資格です。
■WEBライティング技能検定|一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会
Webライティング能力検定
「Webライティング能力検定」は、「一般社団法人日本WEBライティング協会」が主催する民間資格です。2012年から継続され、日本のweb業界の中では最も古い資格として知られています。
試験は1~3級のグレードに分かれていますが、試験結果によって級が振り分けられます。得点が高ければ高いグレードで合格できるというシステムです。1級の上に「特級」があり、こちらは1級を合格した人が受験できます。
合格者は公式サイトに名前が掲載されるという特典も受けられます(希望者のみ)。公式サイトで資格保有の証明ができるため、自己PRに信頼性が増し、クライアントからの印象アップが期待できます。
試験科目は「国語」「ウェブライティング」「コピーライティング」「メールライティング」「SEO」「倫理・法律、炎上対策」「ミニ論文」と多岐にわたっています。かなり多いのですが、いずれもWebライターとして押さえておきたい分野であることは疑いようがありません。試験勉強を通して確実なスキルアップが期待できます。
試験は年に2回開催され、オンラインで受験します。受験料は13,500円です。学割制度があるため、大学生、短大生、中高生は半額で受験できます。
■Webライティング能力検定|一般社団法人日本WEBライティング協会
SEO検定
「SEO検定」は、「一般社団法人全日本SEO協会」が主催する民間資格です。1~4級までのグレードに分かれ、1級は1~4級すべての内容を包括した試験内容になっています。
SEOの基本から学びたい人は4級から、今の段階で身につけているSEO知識を確認したい人は2~3級から、すでにプロのWebライターとして活躍し、SEOに長けているという人は1~2級から受験できるシステムです。
SEO検定では「SEOの基本的な知識・用語」「検索エンジンの仕組み」などから始まり、上級になるほど専門的な知識が問われます。
1級に合格すればトップレベルのSEO技術を身につけているという証明になり、強いPR材料になることは間違いありません。ほかの級でもSEOの知識があることや、SEOへの取り組みに熱意を持っていることがアピールできます。
試験は毎月2回(日曜日)、全国11ヶ所の会場で実施されるため、どこに住んでいても安心です。ただし会場と試験日程ごとに定員が設けられています。受験料は1級が8,800円、2級が6,600円、3級と4級が5,500円です。
ビジネス著作権検定
「ビジネス著作権検定」は、「サーティファイ著作権検定協会」が主催する民間資格です。日本では著作権に関する唯一の資格にあたります。初級、上級のグレードに分かれており、合格すると認定証が獲得できるシステムです。
著作権はwebライティングにおいて意識するべき事項のひとつです。この資格を取得するために学ぶうち、コンテンツ作成時に注意するべきポイントが理解できるようになります。取得後は著作権の知識があるWebライターだというアピールができるようになり、クライアントからの信用を獲得しやすくなるメリットが生まれます。
ビジネス著作権検定の特筆するべき特徴は、上級に合格すると「知的財産管理技能士」という国家資格の受験資格が得られる点です。国家資格のため、合格すればかなり強力なPR材料として使えるものになります。得意分野の形成としても役立ちそうです。
ビジネス著作権検定は1年に1~3度開催されます。以前は現地での公開試験がありましたが、2021年からリモートWebテストのみになりました。受験料は初級が5,100円、上級が8,000円です。
Webリテラシー試験
「Webリテラシー試験」は、「株式会社ボーンデジタル」が主催する民間資格です。webに関わるクリエイターがWebについて標準的、かつ、必須である知識を理解し、運用できる能力があるかを測ります。合格すると「Webアソシエイト」の資格名で所有できるようになります。
もともと受験対象は「ディレクター」「プロデューサー」「デザイナー」「webを使うビジネスパーソン」がメインですが、問われるリテラシー知識がWebライターにも大いに役立つため、取得しておくと強い武器になることが期待できます。
web上で注意するべきリテラシーを身につけることにより、情報漏えいや著作権侵害の危険性を遠ざけられるメリットも大きい資格です。
また、webリテラシーに詳しい(または細かく配慮する)クライアントとのやり取りに専門用語が出ても理解しやすく、双方の意思疎通がしやすくなることもメリットです。
試験はCBT方式(画面に映った問題の回答を選択する方式)で毎月1回行われます。是国200ヶ所にあるJ-Testing試験会場テストセンターか、リモート試験かどちらかの選択が可能です。受験料は10,000円+税になります。
日本語検定
「日本語検定」は「特定非営利活動法人日本語検定委員会」が主催する資格です。民間資格ですが、文部科学省や全国の教育関連団体が後援している資格として知られています。1~7級のグレードに分かれ、総合的な日本語能力を測ります。
言葉を使った仕事をするWebライターですが、思ったよりも不正確な日本語で文章を書いてしまうことが少なくありません。日本語検定の勉強を通して正しい日本語を改めて学び、コンテンツ作成に活かしていけます。
正しい日本語は読みやすい文章や、文章にあえて個性を出したい時のテクニックにつながることもメリットです。読者を惹き付けるコンテンツで、ほかのWebライターと差をつけられるかもしれません。
また、外国人向けのコンテンツ作成での活用も視野にいれましょう。日本語が堪能ではない外国人でも正確に情報を把握して楽しめるよう、あるいは正確に翻訳しやすいよう、正しい日本語が書けるスキルがあると役立ちます。そのような依頼なら、クライアントが日本語検定の資格に興味を示す可能性が高くなります。
日本語検定は1年に2回、指定会場で行われます。受験料は1級が6,800円、2級が5,800円、3級が4,300円、4級 が3,000円、5級が2,300円、6級と7級が2,200円です。
日本漢字能力検定
「日本漢字能力検定(漢検)」は「公益財団法人 日本漢字能力検定協会」が主催する民間資格です。1~10級のグレードに分かれ、小学生から社会人まで幅広い層が受験できます。正しい漢字の読み方をはじめ、漢字を使いこなす実践的な能力が問われる試験です。
Webライターにとって漢字の知識は重要です。同音異義語や対義語、類義語などを正確に使いこなした文章を書くのであれば、漢字の知識が欠かせません。ライティングだけではなく、校正を目指す人にとっても大切です。
試験は年に3度、全国47都道府県の試験会場で行われます。受験料は1級が6,000円、準1級が5,500円、2級が4,500円、準2~4級が3,500円、5~7級が3,000円、8~10級が2,500円です。
文章読解・作成能力検定
「文章読解・作成能力検定(文章検)」は「公益財団法人 日本漢字能力検定協会」が主催する民間資格です。文章を正確に読み取る能力や、自身の意見、発信したい情報を正確に伝えられる能力を測ります。1級はなく、2~4級のグレードに分かれています。
語彙や文法を身につけ、高めることはWebライターにとって非常に重要です。どれほど高度なコンテンツを思いついても、文章力が稚拙ではその価値が伝わりません。コンテンツを作成するための資料を読み込み、理解する読解力も必要です。文章読解・作成能力検定の学習を通し、文章に関するスキルを伸ばしていきましょう。
試験はグレードごとに年に3回、公開会場で行われます。受験料は2級が4,000円、準2級と3級が3,000円、4級が2,000円です。
■文章読解・作成能力検定|公益財団法人 日本漢字能力検定協会
※各試験・検定の受験価格や受験時間などは、2023年8月時点のものです。
得意分野・専門分野関連の資格
強みにできる得意分野・専門分野があれば、関連した資格の取得もおすすめです。専門家ならではの視点、情報収集能力や取捨のスキル、適切な表現でコンテンツの質を高められます。
特に専門性のあるコンテンツを作る時には、該当ジャンルの資格があるWebライターに依頼したいと考えるクライアントも多いはずです。
すでに得意分野や専門分野がある人は、その分野に特化した資格の取得を目指しましょう。まだどの分野を極めればよいのか迷っている人は、需要が高いジャンルや前職の経験を活かせる資格を狙うのもよい方法です。
たとえば、昨今は高齢化社会により、介護について関心を持つ人が増えています。そのような人に情報提供するポータルサイトも増えてきました。専門性が高いジャンルであり、介護関連の資格を持っているWebライターが記事を書けば信頼度が高まります。
ほかにもグルメ、スポーツ、トラベル関連、金融関連など、専門的な知識や資格を持つWebライターが有利になるジャンルは数多くあります。自分が興味を持ったものからトライしてみるのもおすすめです。
WebライターはAIとどう向き合うべき?
近年、AI技術は目覚ましい発達を遂げており、ライティングに対応できるAIも登場しています。例えば「ChatGPT」や「Catchy」のようなチャットAIは、一読しただけでは、AIが作成したとは思えない自然な文章を数秒、あるいは数分で生み出すことが可能です。
このようなAIの登場に、「ライティングの仕事がなくなるのではないか」と考えるWebライターは、決して少なくはないでしょう。しかし、必ずしもそうとは限りません。
そもそもAIは技術のひとつであり、技術は人間社会をサポートする存在です。AIを導入した官公庁や企業でも、業務効率化のサポートとして導入しています。いわばツール、スキルの一種として使いこなしているということです。
Webライターの仕事も同様です。AIをツールやスキルとして使いこなし、業務効率化が目指せることは間違いありません。使いこなす能力によっては大幅な業務効率化やコンテンツ作成の高品質化も実現します。AIに対する理解を深め、ツール、スキルとして使いこなす能力を身につけるか否かがキーポイントです。
AIとWebライターの関係について詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてください。
■AIでWebライターは需要がなくなる?将来性や生き残る方法を解説!
■AI文章作成ツールの使い方・選び方は?おすすめのツールやアプリ7選!
まとめ
Webライターは特別な資格やスキルがなくても仕事ができます。しかし、高品質のコンテンツ作成やより重宝されるWebライターを目指すのであれば、有用なスキルや資格を身につけておくと役に立つはずです。
また、進化が目覚ましいAI技術は利用次第で大きな業務効率化や作成コンテンツの高品質化をサポートします。スキルのひとつとして使いこなし、Webライターとしてステップアップを目指すのもよい選択です。 自分がどのようなWebライターになりたいのか、目指すビジョンやキャリアマップなどを考え、必要なスキルや資格をぜひ取得してください。
サイトエンジンかくたま編集部は、企業様のコンテンツ制作やインタビュー記事制作、オウンドメディア運用やディレクションサポートなどを承ります。 コンテンツ制作にお悩みのWEB担当者様は専用サイトからご相談ください!
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